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2009年7月31日 (金曜日)

一致しない被害品

窃盗事件では、被害者の申告した被害品と、加害者が認める被害品に食い違いがあることはままあります。

弁護人としては、この場合、証拠を合理的に読み取り、両者の一致する限度において事実を認め、その余は否認することになります。

この場合、窃盗行為自体は争っていないため、いたずらに証人尋問をしたり、期日が伸びることがないよう気をつけなければなりません。

書証はすべて同意して、認めない事実について、供述の信用性を争ったり、証拠の欠如を指摘するだけで、初回期日に結審するというのが、妥当な流れではないかと思います。

ところが、このように苦労してした仕事について、裁判所は判断を示さないことが多いです。

窃盗事実があるうえで、若干の被害量の差異は量刑を左右するものではないから、無駄な判断は省略するという省エネ志向なのでしょう。

普段、裁判所の妥協ない丁寧な仕事を見ているので、このときばかりは、裁判所はいいなぁと思います。

また、被告人も「何言ってんのこの人。かったるいから早く終わらせてよ」という感じで、一生懸命やるわりには報われない、あまり面白くない仕事でもあります。

しかし、裁判所やその他の人がどのように思おうと、被告人に有利になりうる事情を拾い、あるいは、不利になりうる事情を排除することは大切なことで、一見争いのない事件でもこうした視点を常に忘れず、わりに合わないつまらない仕事をしっかり行っていくことが、刑事弁護人には大切ではないかと思います。

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