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2009年7月15日 (水曜日)

銀行の取引履歴

事件処理において、銀行の過去の取引履歴を照会することはよくあります。

が、古い記録はないとの回答もよくあります。

消費者金融業者のように、過払請求対策のため、法定保管期限をこえた履歴はとっとと抹消するという事情のない銀行ですので、もう少ししっかり履歴を残しておいてほしいなという印象はあります。

銀行履歴を照会する大きな理由は生前贈与の確認ですが、銀行履歴の残っていないほど昔の生前贈与について厳格な立証を求める裁判のあり方の方に問題があるのではないでしょうか?

遺産の範囲の確定でも、遺留分の計算においても、過去の生前贈与は、無制限に遡って参入されるのが現行法の解釈ですので、これを有利に主張する側に立証責任があります。

しかし、これは理屈上の理想論であり、証拠書類の不存在が明らかな場合においても原則に従った立証責任を課すことには疑問を感じずにはいられません。

生前贈与の参入期限を限定するよう、法律改正をするか、解釈論を工夫するか、立証責任の分配を再考するか必要だと思います。

生前贈与の消滅時効やその主張権の消滅時効といった概念での対応も考えられます。

現在検討されている民法改正議論には含まれていませんが、現代実務の大きな問題点だと思いますので、実務事例の蓄積に期待したいところです。

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