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2009年7月 2日 (木曜日)

調停はゲーム理論?

調停がなかなか成立しにくいことは何度か話題にしました。

原因は依頼者がなかなか決断できない、裁判所が判断を示さないなどいろいろありますが、大きな問題は「顔が見えない」ことにあるのではないかと思います。

和解であれば弁護士同志は顔が見えるので、腹をわった話し合いは可能ですが、調停は弁護士同志、当事者同士が顔を合わせない、すると、相手がどのように事件を考えているのか全くわからない状態に置かれます。

適切な内容で調停を成立させられれば、当事者双方がウィンウィンな関係に立ちますが、調停成立をあせって安易に譲歩すると、弱みにつけこまれ、大切な依頼者を危険にさらしかねません。

「強気のカード」と「弱気のカード」の2枚があるとしたら、

双方が「弱気のカード」を出したら、双方合計で最大利益

一方が「強気のカード」、他方が「弱気のカード」を出した場合、強気側はぼろもうけ、弱気側は大損

双方が「強気のカード」を出したら、裁判でえんえんと戦うことになり、利益は減少

ということに、簡単に考えてなります。

顔が見えないから、弱気のカードで交渉の余地があるのかないのかわからないため、強気のカードを出し続けるという弱気の交渉しかできなくなるのが、調停ではまる落とし穴だと思います。

相手代理人が知っている人物であれば、直接電話で話し合えますが、知らない場合、まず、その弁護士の評判を聞いてみる。

ある程度、裁判の材料と相手代理人の情報が集まった段階で、まず相手代理人に調停成立の見込みを聞いてみる。

相手代理人が頓珍漢な考えを持っていたり、相手本人が譲歩の姿勢を見せない場合、早い段階で裁判に切り替えた方が依頼者の利益確保に資する場合が多いでしょう。

逆に、話し合いの余地があるなら、話し合いを継続し、多少譲歩しても調停を成立させるメリットを依頼者に説明することができます。

調停をゲーム理論にしないためには、弁護士が相手の顔を暴くことが大事ですし、裏を返せば、相手代理人に顔を見せることも大事だと思うようになりました。

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