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2009年5月22日 (金曜日)

長い文章

この仕事では、非常に長い文章を書く人が多いです。

知財や会社案件などの専門性の高い分野の準備書面や意見書は、言葉の定義から丁寧に1つ1つ積み上げていかなければ途中で議論が迷走しますので、長い文章になるのは必然です。

ところが、特段、大きな問題点のない平易な案件の意見書や準備書面でも非常に長い文章を書く弁護士は少なくありません。

もちろん、細かいところまで精査して、他人が気づかないような視点をずばずば指摘するなら、素晴らしいことですが、多くは実質的な内容の乏しいもので、目次や表題を斜め読みすれば内容を理解できるものです。

なぜ、このように長い文章を書くか。

まずは、依頼者や相手方に対し、自分はこんなに丁寧にこの案件を精査したのだとのアピールが考えられます。

確かに長い文章をもらうと、その段階では「すごいな」と思いますが、内容を理解できる人が読めば、「たいしたことないな」という判断に変わります。

次に、相手方や裁判所に「この人面倒臭いな」と思わせることが考えられます。

面倒臭いと思わせれば、和解交渉で有利に進めることはできそうですが、だからといって安易に譲歩する弁護士はそうそういませんし、判決内容に影響があるとも思えないので、この効果もあまりありません。

そうなるとあと考えられるのは、たくさん書いてタイムチャージを稼ぐ、この視点がどうしても残ってきます。

会社からの依頼はタイムチャージで受任することが多いですが、だからといって、あまり内容のない文章作成に時間をかけて報酬を水増しするやり方は好ましくありません。

タイムチャージで事件を受けたことのない若手弁護士のたわごとと思われるかもしれませんが、固定報酬だからこそ、よりよい解決のために、時間関係なく最大限の調査を行う、タームチャージでは、依頼者少ないリスクで高い結果を得られるよう最大限配慮すべき、ではないかと思います。

簡潔な文章で確実に必要な事実や主張を読み手に伝えることは長い文章を書くより難しいですが、非常に有益な方法と思います。

これを実現するには、「手抜き」「見落とし」がないよう、を普段から気をつけていかねばなりません。

簡単な見落としの多い私にとって日々の大きな課題です。

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