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2009年2月12日 (木曜日)

被害の評価

最近、刑事事件の話ばかりしている気がしますが、今日は、財産犯の量刑について。

財産犯では、被害金額と賠償の有無が量刑に大きく反映されていると感じます。

同じ条件下で、1000円の物と1000万円の物を盗んだ場合、前者では、被害弁償ができなくても、懲役1年執行猶予付き、後者では懲役3年実刑、という大きく異なる結論になることも予想されます。

被害金額によって刑が変わるのは当然のことですが、被害金額の違いにより意外に大きな量刑の差につながりえるため、今後ますます被害弁償の重要性が増していくと思われます。

ところで、被害は額面だけでは判断できない場合も多々あります。

1万円のありふれたものを盗むよりも、1000円の持ち主が愛着を持つ品を盗むほうが、被害感情としても、被害の回復可能性においても、厳しい量刑に値すると思います。

また、同じ商品を安売りで売るスーパーと、定価で売る小売店とでは、額面をもとにすると、小売店から盗んだほうが刑が重くなりそうですが、実質的な打撃は、利益率の低いスーパーのほうが大きいです。

それゆえ、「愛着」といった個人的な感情や、多少の金額の差は量刑には反映させないでしょうが、単純に金銭的な打撃を与えただけの財産犯の量刑も、厳密に考えていくと難しい点はいろいろ出てきます。

ともあれ、法曹が財産犯の裁判で被告人に理解してもらわなければならないのは、「被害者の痛み」と「お金を弁償するだけでは解決にならないこと」です。

刑期よりも、この根本的なことを理解してもらい、この不景気の時代に財産犯が増加しないことを祈るばかりです。

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