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2009年1月27日 (火曜日)

被害弁償は難しい

民事・刑事を問わず、被害弁償は弁護士の一つの役割です。

不法行為により、人に損害を与えた場合、これを賠償すべきなのは人として当然です。

法律的に問題があり、不法行為の成立を争う場合はともかく、不法行為の存在が間違いない場合は、依頼者に対しても被害弁償を促すのが弁護士としての職責だと思います。

債権回収と異なり、「まけてくれ~」ではなく、実損の即時賠償をまず促し、経済的に困難であれば、うまく相手と交渉して双方が納得のいく金額と支払方法を調整するべきです。

被害弁償は簡単な作業のようで、非常に成立が難しいものです。

被害者の視点にたった場合、被害を受けたことに強いショックを受け、様々なわずらわしい思いをしますので、実損だけの賠償ではなかなか満たされないケースが多いです。

他方で、加害者においては、被害者の実損に相当する利益を享受していないケースが多く、実際に得た利益以上の賠償に抵抗を示すケースがあります。

裁判所の立場からすれば、実損+事案の程度に応じた慰謝料にて調整、という内容の判決が多く、判決で決着すればこのような内容で落ち着くケースが多いでしょう。

不法行為が起きると、被害者は損害が全て満たされない、加害者は利益以上の損失を被る、と、悪いことばかりで、できるかぎりなくなってほしいことの1つです。

このような被害弁償について、少し前までは、想定される判決の金額で早々に話をまとめてしまうのが双方にとって、結果的に有益だと考えていた時期もありました。

確かに、そうなるケースもあるでしょう。               

しかし、被害弁償についての双方の溝は、時間をかけて、客観的に事件を見ることができるようになったとき、少しずつお互いの溝が埋まっていき、最終的にうまくまとまることが多いのも事実です。

事件の(形式的な)解決よりも、当事者の納得こそが大事です。

簡単なはずの仕事が実は難しいというのは、非常にこたえますが、被害弁償を要する案件については、事案を的確に見極め、当事者にとって何が最もよい解決かしっかり考えながら、最善の一手を模索していきたいと思います。

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