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2008年12月22日 (月曜日)

継続的侮辱行為に基づく損害賠償請求

Aさんから会うたびに侮辱的な発言をされて傷ついている。損害賠償できないか。

法律相談に行くとよく聞く話ですが、残念ながら現行法では損害賠償を受けるハードルは非常に高いものとなっています

まず、①受けた侮辱的発言の内容を特定し、②これを立証しなければなりません。

通常、不意に言われることですので、正確に理解し、これを正確に裁判官に伝えるのはなかなか困難です。

次に、③発言が「違法性」を帯びる一定のリミットをこえる必要があります。

侮辱発言は犯罪ですが、「侮辱」に該当するかは評価の問題も入りますし、日常会話の延長がたまたま不愉快に感じただけの場合もあります。

よって、不愉快に感じる発言が全て違法というわけではなく、その中で、一般人の見地から「そりゃあかんやろ」と誰もが思うレベルの発言であってはじめて損害賠償の対象となります。

さらに、④損害の立証も必要です。

侮辱的な発言を受けても、その瞬間は不愉快でも、少し時間が経てばその不愉快感は解消され、なんともなくなるのが普通の人間です。

継続的に繰り返し言われることにより、精神状態がおかしくなるなどの客観的な事情が生じてはじめて損害として認定されます。

以上のとおり、言葉の暴力による損害賠償は非常にハードルが高く、相談者の期待には応えられません。

なお、同種事案として3年ほど前に、「引越しおばさん」が話題となりましたが、あれくらい執拗で、直接的で、証拠もあり、被害結果を表す診断書もある、そこまで酷い案件くらいにならなければなかなかまとまった金額の慰謝料は認容されないのが実情です。

言葉の暴力は裁判で解決してもらうのではなく、まず自分で、受け流したり、適度に言い返したり、他人に悩みを聞いてもらうなどして、解決するのが大事だと思います。

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