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2008年11月13日 (木曜日)

人が嫌がることはしちゃダメ!

携帯電話のカメラでズボンの上から女性の臀部を撮影することは卑猥か?

この点につき、肯定する最高裁決定がありました。

一般的な感覚で見て、そりゃそうでしょう、と思う方が多いと思います。

だって、そんなことされたら普通いやだから。

されたらいやなことをしたら有罪。

その考え方は決して間違っていません。

しかし、日本の刑法では、法律の条文から、有罪になる範囲が一般人の感覚において明らかでなければなりません。

ストーカーが非常に心理的苦痛を伴う行為であるにもかかわらず、法律ができるまで処罰ができなかったことは記憶に新しいことです。

卑猥かどうか、というのは人それぞれで認識の範囲が大きく異なるので、非常に解釈が困難です。

最高裁の決定では、尻を眺める行為が卑猥かどうかについての言及もありました。

女性からすれば、服の上からでも胸や股間、臀部を凝視されるのは恥ずかしく、やめてほしい行為であると思います。

しかし、見る側からすれば、多くの場合性的充足のために見ているのでしょうが、芸術目的やその他の意図で見る場合もあり、このような場合を処罰するのは酷です。

結局、ただ眺めるという客観的事情だけでは、それが卑猥な行為であるか判断できず、無罪とせざるをえないでしょう(ただし、そのほかの客観的な経緯次第では有罪となりえます)。

では、見るのがいいなら撮影もいいじゃないか、という言い訳もでてきそうですが、こうなると一線を越えます。

町を歩いていると、偶然、女性の胸の谷間や下着の一部が目に入ることがあります。

それを目にしただけでは当然犯罪にはなりません。

しかし、カメラで撮影するとなると、当人の同意なしではやってはいけません。

社会生活上たまたま目にしたものを見る行為は自然な行為の範疇に属し、女性側も社会に生きる以上受忍すべきものですが、カメラに撮影することは、自然な行為をこえて非常に人為的で、撮影された画像を不定期に不特定多数の人の目にさらされるおそれがあるという重大な被害を被るものですから、社会に生きる人間としてここまで受忍せよというのは酷にすぎます。

結局、社会生活を営むうえで、当人の落ち度をふまえ、どこまでは受忍すべきかという視点で考えれば、公の場所で服の上から体を見られたり、服装や体勢により、見えてしまった体や下着を見られてしまうのは、受忍すべき範囲内ですが、これを撮影したり、あるいは私的な場所で行うとなれば、そこまで受忍すべきではないとして有罪に傾くと考えるのが筋です。

盗撮は、被害者に不快感を与えていないから無罪だ、という主張も聞きますが、これも同じように考えれば通らない理屈であることは明らかです。

猥褻犯の裁判は、少なからぬ人が興味を持って傍聴に訪れますが、社会通念を理解し、常識的な評価を下す必要のある非常に難解な事件です。

これを裁判員が裁くと非常に議論が白熱し、大変なことになると思いますが、社会通念に従った判断を下すべきだからこそ、裁判員に関与してもらいたいと私は考えます。

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