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2008年7月16日 (水曜日)

仕事選択の自由

弁護士会における議論の中で、「相談を受けた中で、おいしい仕事だけ受任して、お金のない依頼者の事件を受けないのはけしからんから、受任要求のあった事件は原則受任義務を課すべきだ」というものがあります。

職業選択の自由満開のこの時期にこんな議論が持ち上がるのも珍しい話ですが、弁護士の職務の公的な側面を考えると、決して不当な措置とはいえません。

法テラス相談を受けて、過払い案件だけかっさらい、法律扶助や分割払いの依頼者を見捨てる弁護士は、もう少し弱者救済の理念を学ぶべきだと思います。

しかし他方で、受任申請のあった事件を全て受けろと言われると抵抗感はあります。

何度かここでもとりあげましたが、法テラスや市役所などの無料相談では

被害者の私から金とるのが弁護士の仕事か!とか、

分割金払う払うといって、一度も分割金を支払わないまま、些細なことで揚げ足をとって弁護士費用をまけろ、と行ってきたりとか、

何で俺が動いて書類集めなあかんねん、お前銭もろうとるなら責任もって全部やれや!とか、

不利な証拠の存在を指摘したら、「この証拠は見んかったことにしてください」と言っておきながら、尋問で相手代理人につつかれると「先生に見せたけど、不利な証拠は隠しとけって言われたから出しませんでした」とか言い出すなど、とんでもないモンスターがいくらでもいます。

まさに、魑魅魍魎の跋扈する世界。

こんな依頼者を善意で助けてあげようとして、スケープゴートにされて資格が危うくされるのは誰もがまぴらだと思うことです。

いくら弁護士の職務に公的側面があろうとも、こんな依頼者の事件受任を強制されて、身を危うくさせられうことは問題です。

弱者は必ず救済されなければなりませんが、本当に救済されるべき弱者かどうかは、お金の有無といった単一事情で形式的に判断されるべきではなく、多角的に検討されなかればなりません。

この点を考えると、受任強制はやりすぎで、各人が良心をもってそれぞれの判断で弱者に手をさしのべるシステムはまだ崩せないのだと思います。

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