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2008年6月10日 (火曜日)

けしからん!金払え!

アメリカにくらべて日本は穏当な訴訟社会であるといわれます。

クレーマーの言いがかり訴訟や、不当に高額請求をふっかける訴訟が少ない点からそう言われるのでしょう。

それは、弁護士が不当な訴訟事件を受任せず、裁判官も不当な訴訟当事者に有益な和解で妥協をすすめない、という努力のたまものだと思います。

しかし、昔からそうなのかもしれませんが、「けしからんから損害賠償だ」という人は決して少なくありません。

不法行為の要件事実を満たすか疑問のある事件ですので、市役所や法テラスの法律相談ではスルーしますが、事務所のお客として訪ねて来られた方には丁重な応対をします。

このような事件を受けなければ食べていけないわけではありません。

むしろ、コストパフォーマンスの悪い事件ですので、出来る限り相談で満足してもらえるよう努めますが、どうしてもやってほしいと言われると、今後の業務のことを考えて、受任せざるをえません。

このように、弁護士自身も勝てるかどうか疑問に感じる事件を、依頼者との関係で受任せざるをえない、ということは、おそらくどこの事務所でもあることでしょう。

このようにして、優秀な裁判官や弁護士が時間を割くべきでない事件に、多大な時間と労力が費やされ、当の依頼者は決して十分に満足できないという、散々な結果が招来されます。

お客として頼りにして来られている以上、むげにノーとはいえず、しかし、依頼者のためを考えれば、これ以上の負担を被る前に納得してもらった方が良い、そういうジレンマに陥ることはこれからもっと増えて行くのでしょう。

甘やかさず、突き放さず、依頼者との適度な距離を見極めて、うまく双方に有益な関係となるよう配慮していければと思います。

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