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2008年6月25日 (水曜日)

大阪の和解・東京の和解

大阪と京都は日本屈指の和解困難地区だと言われています。

京都は、まあ、土地柄も人間も特殊なのでしょうが、東京と大阪は確かに事件処理の方針が違う感じはあります。

主張を尽くして、後は尋問を残すだけ、この段階で裁判官は9割方心証を固めています。

そこで、コストパフォーマンスを考えて尋問前に和解してしまおうといいうのは合理的人間の考えることです。

そのため、少なくとも私が担当した東京地裁案件は、尋問前に裁判官が心証開示し、その内容と大きくかけ離れた意見を持つ当事者を、尋問前でも裁判官が説得するケースが多かったように思います。

それと異なり、大阪ではあまり尋問前に心証開示しません。

大阪の裁判官の方が慎重?というわけではなく、心証を開示しても大阪の当事者は素直に従わず、あまり重要性のない新証拠を次々と出して「これで心証変わるやろ」と言ったり、裁判官の心証を前提にいかに値切るかに重点を切り替える当事者がいたりするからでしょう。

東京では裁判官の心証に極めて近い額でせいぜい分割を認めるだけで、和解が成立しやすいですが、大阪では、裁判官の心証よりも、当事者の要求の真ん中あたりで和解がまとまりやすいため、裁判官も早くから心証開示して責任を背負い込むよりも、とりあえず当事者双方の言い分を聞いて、その真ん中あたりでまとまるか見てみ、ダメだったら、裁判所の心証ベースの和解は尋問後か高裁に任せるというケースが多い気がします。

このような違いの背景には、大阪の弁護士がナニワの商人をコントロールしきれていない点もあるのでしょう。

だからといって、東京方式が全面的にいいとは限りません。

無理に裁判所の心証ベースでの和解を早期に成立させても、当事者の心理的経済的バックグラウンドがなければ和解は完遂しえません。

現に、裁判所で正式に約束したにもかかわらず、分割和解案の遅滞率は東京はかなり高いはずです。

東京方式は、裁判を早くスマートに解決するけれども、法曹界独自のマニュアルに則った事件処理をするだけで、真の事件解決まではしていないという面が否定できないのではないかと思います。

何が最も適切な解決手段かという問いの答えは、千差万別で、答えを出すセオリーにマニュアルがあってはならないと思います。

人が何を幸せと感じ、何に満たされるかは、しっかり腹をわって話さないとわからず、記録を読むだけの裁判官がいかに頭がよくても簡単にはわからないはずです。

そういった依頼者の気持ちを正確に理解し、その依頼者にとって満足できる解決を貪欲の求められる弁護士でありたいと思います。

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