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2008年5月 2日 (金曜日)

黙秘権行使は有益か

刑事裁判が始まる際の常套文句

あなたには黙秘権が保障されているので、言いたくないことは言わなくても構いません、ただし、この法廷で話したことはあなたに有利になるか否かを問わず、この裁判の資料となりますので、気をつけて話してください

裁判官のこの説明を受けて、本当に黙秘権を行使する被告人がいますが、黙秘権の行使は被告人に有益かどうかは、疑問があります。

弁護人による質問は何らかの、被告人に有益な供述を引き出すために行いますので、これすら答えてくれないとなると仕事になりません。

立証責任は検事にあるといいますが、検事の立証を阻害するのも大事な弁護活動で、これを行わないと、証人尋問の結果または供述調書の内容を疑う余地がないとして、無条件で不利益事実が認定されてしまいます。

起訴された以上は、検察官は相当の証拠をもって起訴しているので、今更黙秘しても証拠構造は崩れない、むしろ、反証の機会を自ら放棄することとすら言えるかもしれません。

黙秘権を行使するなら、取り調べ初期で、これにより、捜査機関に十分な情報を与えなければ、ひょっとたら証拠不十分で不起訴が期待できるかもしれないという程度でしょう。

黙秘権がある、黙秘権を行使しても罪が重くならない、これだけ見れば黙秘権の行使が最大の利益をもたらす勝ち組の選択に見えるかもしれませんが、現実は黙秘権の行使により失うものが多く、刑事裁判を受ける人に対しては、弁護士も親族も、「事実をありのままに話した方が良い」と勧めるほうが遙かに良いことを忘れてはならないと思います。

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