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2008年5月 8日 (木曜日)

事件受任のポイント

弁護士は事件を受任しなければ生活していけません。

著名な弁護士は、自分の好きな事件だけ受任して悠々食べていけますが、多くの弁護士は時には「この事件どうなんだろう?」と思う事件を受けて生活しています。

疑問のポイントは、

依頼者の言い分が果たして法律的に通用するのか

依頼者の言い分が果たして真実なのか

依頼者の言い分は法律的に保護されそうだが、事件としては依頼者の方が相手方より悪いことをしている

依頼者の言い分を貫くと、善意の第三者が被害を被る

依頼者が弁護士費用をきちんと払ってくれるのか

といったところが多いのだと思います。

それに比べると、裁判所は来た事件を、判例と自分の良心に従って裁くだけ、検察官は、有罪認定の証拠が固まった案件を粛々とすすめるだけ、とささやかれるJPの仕事がうらやましい面もあります。

ところが、検察官も時々無理筋の事件に泣かされているのをみかけます。

それは、

被害感情が強いため、現在不足している証拠を公判で補充することを見越して起訴した

被害感情が強いため、裁判例をかえる必要に迫られ起訴した

証拠十分のA罪では量刑が軽すぎるため、重いB罪で起訴した

余罪や前科をふまえると、C罪では量刑が軽すぎるためD罪で起訴した

など、社会正義のために必要に迫られたときと、被害者のいいなりになる時は、勝ち筋事件しかやらない検察官も重い腰をあげるのだと時々気づきます。

そういった事件は上の指示によって、若手が担当することが多い点は弁護士にも共通しますし、そういった事件で若手は育つことは決して看過できない重要な効果です。

ただ、法曹の育成のために、一般市民が多大な負担を被ることは避けなければならないことで、弁護士も検察官も敗訴時に、敗訴原因を振り返り、負担を被った当事者に何らかのフォローがなされる制度が構築される必要があるのではないかと感じます。

この点から見れば、控訴審で逆転した裁判の数が出世に影響する裁判官のシビアな査定制度は、その仕事に携わる人にとっては迷惑きわまりない制度ですが、当事者の利益のためには一定の役割を果たす大事な制度なのだとも思います。

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