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2008年4月 7日 (月曜日)

証拠集めは誰がする?

法律相談のほとんどは、事実を前提にどのような法律効果を得られるか、という相談ですが、ときどき、証拠を集めてくれ、という相談があります。

確かに依頼者が嘘を話しているとは到底思えないし、それを前提とすれば相当の法律効果が得られます。

そのためには、立証が何より大事で、依頼者の言っていることを信用してほいほいと事件受任して、結局証拠不十分で負けました、着手金だけありがたくいただきます、という対応は最低ですので、証拠の足りない事件は少なくとも私は受任しません。

ところが依頼者サイドからみれば、受任を断る=自分を信用してもらえない、という感情になるようで、そうではないということをきちんと説明する必要があるでしょう。

住民票を取り寄せたり、弁護士会照会をしたりなど、弁護士のできる範囲で証拠収集はしますが、弁護士の証拠収集能力はたしいたことはありません。

それゆえ、証拠収集は原則として依頼者自身にやってもらわねばなりません。

依頼者自身の証拠収集能力が不足している場合、告訴をして警察に証拠収集してもらったり、訴え提起をして裁判所に証拠収集をしてもらったり、探偵を紹介したりなど、他の証拠収集機関を紹介はしますが、やはり自分ではしませんし、できないのが現実です。

裁判を業とする弁護士が、その素材である証拠を収集できないのは、鮨屋が魚を仕入れられないのと同じくらい深刻な話です。

弁護士が増加していくなかで、裁判ではなく証拠収集に特化した下請法律事務所にようなものができてもおかしくないのかと思います。

料金とやり方さえ適正であれば、弁護士業界の新境地を開くかもしれない、と馬鹿馬鹿しくも意味のありそうなことを考えていました。

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コメント

分かります。私がいざ調停となった時、資料を弁護士さんに渡しましたが、覚書にすぎませんでした。主人がころころ転職していた事を細かくまで覚えきれていなかったので、年金手帳さえ側にあれば・・と思いましたが、逃げるように家を出た私には何もなく、記憶だけが資料になりました。私の場合は特殊かもしれませんが、お互いの収入が分かるものや、銀行での取引履歴、主人の病歴が分かるものなど弁護士さんが揃えてくれたらと思ってしまいました(口には出しませんが)。実際には裏付けにこれとこれが要るようになりますと教えていただいてから、市役所で相談し自分で揃えています。また、仕事をやりくりして時間を作らないと揃えるものも揃いません。調停や裁判に不慣れな人が証拠集めを弁護士さんに期待してしまう気持ちはよく分かります。また、そんな事を専門にしてくださる弁護士さんがいたら、利用者は結構いると思います。弁護士さんにしか開示してもらえないものもありますしね。(私は住民票を不表扱いしてもらっていますが、もし主人が弁護士さんに依頼すれば、市役所は拒めないそうです。)

投稿: kaoru | 2008年4月 9日 (水曜日) 09時46分

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