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2008年2月28日 (木曜日)

弁護士はセールスマンじゃない。

弁論準備や電話で初めて話す弁護士の話しぶりを見ていると、一般人に比べて、弁護士という職業の人のしゃべり方が如実に現れている気がします。

非常に多いのが、その弁護士の依頼者に有利な事情を、これでもか、と言わんばかりに積極的に売り込みをする弁護士。

弁護士は交渉代理をしますので、交渉上手でなければなりませんが、それは必ずしもセールスマンのようであれ、とか、饒舌であれ、とかいう意味ではありません。

明快に次々と依頼者のいい面を語れる弁護士は、その瞬間はすごいと思いますが、その内容を事務所に持ち帰って検討してみると、「何やあの弁護士適当な事ばかり言っとるなぁ~」とバレてしまいます。

その場で相手方に決断させる能力はセールスマンに求められますが、そのような話し方をしても、頭の良い弁護士や裁判官は簡単にはひっかかりません。

売り込み上手な弁護士は、依頼者を獲得する能力には優れているかもしれませんが、弁護士業の能力に優れているかといえば、あまり合致しないような気がします。

優れた弁護士であるかは、どれだけしゃべるかではなく、どれだけ綿密な法的検討を行い、勝算と弱点を適切に把握している弁護士です。

私が相手方になって嫌だった、この人すごいな、と思ったのは、電話越しでも裁判上でも悠然と構え、必要最小限の言葉で適切なゴールへと確実に導いてくれる弁護士です。

道筋を読みきっているからこそ、言葉を尽くさなくてもよく、むしろ、他人がどう考えているかを聞き、それを適切な方向へ誘導することに徹することができるのでしょう。

これに対し、相手の意見も聞かず、自分に有利な点ばかりべらべらと話す弁護士は、弱点を無視しているだけであったり、自分が話を主導して、自分の話のペースに引き込みたいと思っている気がしてなりません。

弁護士として人気を集めるためには、話題豊富で朗らかな性格であることが望まれますが、本当の力をつけるためには、努力は違うところでしなければならない気がします。

Hot heart Cool brain といいますが、接客は熱く、仕事はクールにやっていくべきでしょう。

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