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2007年12月19日 (水曜日)

管轄一つ判断するのも大変だ!

とある破産事件。
Aさんは、大阪市在住。最も大きな債務をX県の甲社に負担し、そのほかに大手消費者金融からちょびちょび借りている状態。
Bさんは、Aさんの親族で、X県在住。Aさんの甲社に対する債務の連帯保証債務だけ負っています。
この二人の債務整理事件を受任しています。
Aさんは特段の財産もなく、すらすらすらと申立書を作成し、年内の混まないうちに破産申立完了しました。
Bさんは原則としてX地方裁判所に管轄があるため、そちらに申立をしなければなりませんが、大阪地裁以外への申し立てだと郵便代だけでもそうとうかかり、弁護士の負担も増えますので、ここは当然大阪地裁に一緒に申し立てたいところです。
そこで、破産法を改めて読み直すと、夫婦以外の親族を同一管轄にする条文はありませんが、

相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人

という条文(第5条7項2号)がありますので、これでいけるだろうと思い、Aさんと一緒に申し立てをすることにしました。
まあ、Bさんは、保証債務を除けば債務0ですので、主債務の履行可能性の欠如を疎明しなければ破産手続は始まらないため、同一地裁で同時に審理されるべきは当然だと思っていますが、いざ、もっていくと、書記官は「えっ!、これ管轄ないんちゃうん?」と大慌てで、書記官の間で合議が始まりました。
個人的には悩むようなことではないと思いますが、結局「一応受理しますが、移送の可能性はあるので、ご了承ください」と言われ、何か釈然としない感じが残ります。
条文上、主債務者と保証人、と書いてあっても、同一管轄を認める趣旨は、同一審理の便を考えてのことで、同一審理を行うメリットのない場合は管轄を認めないと解釈すべきだということはよくわかります。
そして、その判断要素として、保証対象となっている債務の、主債務者の総債務に占める割合、保証人の総債務に占める割合、主債務者と保証人の関係などが挙がり、それをもとに判断すべきだということも想定内です。
私は、総合的に判断しても文句なしで、大阪管轄があるといえると考えていましたが、書記官が明言を避けたのは、最終的な判断権者は裁判官であることと、後で移送になった場合に無駄になる労力や費用を事前に抑えるためだと理解しました。
まあ、裁判所だとそう判断するだろうな、と納得しつつ、ちゃんと年内に破産決定まで持っていけるか心配しながら、行く末を見守りたいと思います。

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