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2007年10月12日 (金曜日)

弁護士が入って不利になる?

交渉はいかに相手の弱点を突き、自分の弱点を見せないかが大事です。
破産を覚悟した債務者ほど最強の存在はなく、逆に破産のできない多重債務者に対しては、ヤミ金なども自らの違法性を棚に上げ、執拗にその弱点をつついてきます。
弁護士の交渉も、いかに相手の弱点を早期に発見し、自分に不利益な部分を知られないようにするかが大事です。
ところが、事件によっては依頼者は強いにもかかわらず、弁護士が足かせになるようなケースもあるようです。
典型的な例は忙しい弁護士と、わずかに支払能力の足りない債務者の組み合わせ。
債務者は支払不能という最強のカードを持っていますが、任意整理か破産か微妙な立場にいます。
これに対する債権者は、本来ならばわずかな債権のために費用と労力と時間をかけて裁判を起こし、判決をもらい、どこにあるかわからない財産を探して強制執行しなければならない、非常に不利な立場にあります。
電話攻勢をかけて、債務者が滅入るのを待つしか方法のない立場です。
ところが、弁護士が入ったがために、利息制限法引きなおし額相当の金額程度は回収できる見込みが立つため、ある程度強気の交渉ができるようになってしまいます。
他方で、弁護士側は受任したら解決しなければならない、訴訟になったら依頼者に怒られたり、自分も手間がかかる、などの立場上の問題があり、結局は債権者の言いなりの金額の支出を債務者に迫ることしかできない場合もあるようです。
もともとの強弱の立場関係が、弁護士の介入によってひっくりかえることは奇妙なことですし、あってはならないことです。
執拗な取立から逃れるための費用としての弁護士費用なら、弁護士の職務の品位もたいしたものでないとさえ感じられます。
仕事としてやっている以上、依頼者の費用対効果を考えた和解交渉は推進すべきですが、そこに弁護士の私情や費用対効果を考えてはいけません。
忙しさにかこつけて、仕事に自分の事情をとりこんでいないか、常に確認しながら丁寧な仕事を心がけていきたいです。

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