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2007年10月10日 (水曜日)

一部不同意?全部不同意?

刑事裁判で書証に対する意見を述べる際、採用されるべきでない証拠に対する意見は「不同意」となります。
不同意は、書証の全体に対してもでき、部分に対してもできます。
刑事弁護の模範的な活動は、少しでも疑義のある書証は、全て不同意とすることだといわれています。
他方で、書証の中にも争いのない事実は多々ありえるため、裁判所はできる限り部分的な不同意にとどめ、証人尋問によって立証すべき範囲を減らそうとします。
今日、私が担当したとある刑事事件では、長い調書のうち、被告人の主張と異なる部分はほんの数行の部分が点在するだけでしたので、裁判所からの指導のある前に、一部不同意で、不同意部分をできる限り限定した意見を出しました。
ところが、共犯案件だったせいか、共犯のそれぞれが異なった部分不同意をしたため、非常にややこしい話になりました。
そんなことになるなら、どのみち証人尋問自体は免れないため、簡明に全部不同意にした方が良かったと感じました。
刑事裁判は手続保障を特に重視するため、形式を重んじますが、実体的正義の追求に支障のない部分で、形式を重んじることはあまり得策ではありません。
ただ、その陰で、実体的正義の追求に支障がないから、省略してもええやんか、と、訴訟関係人の業務の便のために手続の弾力性を考えるのはやはり間違っているのでしょう。
同意しても良い部分が多い時は、今後も一部不同意を、そうでない場合には、裁判所の指導があっても全部不同意を続けて行くつもりですが、訴訟関係人の業務よりも、正義の探求に影響を全く与えないかどうかを第一に頭において、あるべき刑事手続について自分なりに考えていきたいと思います。

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