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2007年10月22日 (月曜日)

なかなか書類を準備してくれない依頼者

弁護士に依頼したらそれで全ておしまい、と思う依頼者が時々います。
どんな事件でも、依頼者が必要書類を集め、弁護士に持ってくる作業は必須で、弁護士だけで、全て1から10まで処理できるという事件はほとんどありません。
ところが、この依頼者が書類集めを怠ると、弁護士がいくらがんばっても一定以上は手続を進めることができず、お互いに困ることとなります。
特に、多重債務者の中には、私生活が非常にルーズであったからそういう状態に陥ったという人も多く、場当たり的に断片的な資料だけ持ってきては、残りの資料を用意できず、ずるずると手続が遅れていくケースがあります。
こんなとき、弁護士はどんな対応をとるのか、大きく3つのケースがあると思います。
1、依頼者をしかりつけて、電話攻勢をかけて取り立てまがいの態度で準備させる
2、依頼者の自由にさせ、自然と全部書類がそろうのを待つ
3、時と場合によって1と2を使い分ける
1は、依頼者のために早く解決してあげたい、という点を意識しての行動でしょうが、陰には、自分は忙しいからスケジュールを崩したくない、という思惑も見えます。
依頼者よりも自分の利益を重視する考えはあまりよくありません。
2は、依頼者に自然体で気軽に法律事務所と接してほしい、という点を意識しての行動でしょうが、自分が忙しいから、とりあえず後回しでいいや、という思惑も見えます。
手続が遅れると、再生手続や支払側の事件では、どんどん利息がかさんでいきますし、原告側では証拠や相手の責任財産がどんどん散逸していきます。
よって、スマートにビシッと解決できるのが一番良いにこしたことはありません。
しかし、依頼者の言動でそれができない場合どうするか。
早く手続を進めることのメリットを丁寧に説明し、がんばってもらうことがやはり良いのでしょう。
そして、1と2という正反対の対応の陰には「弁護士が忙しいから」という共通の原因があることを忘れてはならないと思います。
事件のおかげで食べさせてもらう以上、事件処理の煩を依頼者に負担させることは決してあってはなりません。
事件処理のスケジューリングをして無駄なくこれを進めていたら、依頼者がその計画をぐちゃぐちゃにした、そういうときはイライラしてしまいがちですが、事件処理の自分の利害を考慮してはいけない、このことを忘れず、依頼者に最も最善の対応と事件処理を追及していきたいと思います。

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