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2007年9月 6日 (木曜日)

公判前手続は活用されるか

今日はとある国選事件で公判前整理手続に出ました。

一応自白で、故意の発生時期や内容が若干争点となる事件ですが、犯罪が重大であるため、公判前整理手続に付されたものです。

この程度の争点であれば、被告人質問をして弁論で主張すれば良いだけですので、通常手続であれば迅速に解決できた事案でしたが、公判前手続に付されたために、1回結審の期日が遅れ、結果的に解決が遅れる結果となりました。

それだけでなく、公判前整理手続は裁判員制度の開始をにらんだ制度でもあるので、供述調書は全文朗読の方向で運用されています(裁判期日前に平日の昼間にせっせと裁判所に記録を読みに行く熱心な裁判員はそれほど多くないでしょうから、裁判員制度を前提とすれば当然の方向性なのでしょう)。

通常手続では簡易公判手続の活用などにより、審理の迅速・短縮をはかっているのに対し、公判前手続に付されれば、期日も遠く、用意する書面も多く、一期日の時間も長い、と、正反対の手続になってしまいます。

これによる、我々弁護士や被告人の負担は大きくなるのですが、国民の司法参加とその信頼確保のためには、受け入れるべきことなのでしょう。

ただ、プロでも読解に相当のエネルギーを費やす供述調書を、裁判員が漫然と聞かされて頭に入るのかどうか、という問題はあります。

また、供述調書の内容には、生々しい姦淫行為の表現や、その他公の場で話すべきでない事項もしばしばあり、これらを法廷で朗読させるのが適切か、一定の配慮をするとしても、長時間の朗読の中で集中力が切れた際に問題が生じないかという点でも、心配な点はあります。

これから、細かい運用については検討が進められていくと思いますが、まだまだ手探りの運用が続いている感じがします。

弁護士会の講義では、このよりよい運用についての検討の報告が時々ありますが、そのような未知の世界を開拓する体験談を聞くことは非常に刺激的で、機会あるたびに参加することにしています。

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