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2007年9月 5日 (水曜日)

主文 原告の請求を却下する

民事裁判の判決は多くの場合、原告の請求の認容か棄却を内容とします。
被告側の答弁も原告の請求の棄却を求める、というものがほとんどです。
ところがごくまれに(近海漁で網の中に異様な深海魚や鮫が混じっているくらいの確率でしょうか)原告の請求を却下する、という主文が混じっています。
請求の棄却は、原告の主張事実や法律解釈のうち重要なものが認められれば請求は認容されるはずであるが、いずれかの要素が不足したため、原告の言い分が認められなかった場合になされる判決です。
日本の裁判のうち、請求の全部棄却、すなわち原告の全面敗訴の判決は1割強程度であるとのことで、「勝ち目の薄い戦はしない」考え方はまだ残っている感じです。
他方で、請求の却下とは、原告の言い分が全て認められ、仮に被告がこれを争わなかったとしても、法律上原告の請求を認めるわけにはいかない場合に、原告の言い分を退ける結論です。
私が知っているケースでは、主観的予備的併合(Aさんに対する請求が認められない場合にはBさんに請求する、というケースでのBさんに対する請求)の予備的被告の場合や、強制執行に要した費用を別途不法行為で請求したケースなどがあります。
請求の却下は言い分が全部認められても勝訴できない場合ですので、明らかに請求者のミスです。
弁護士代理で請求の却下を受けるケースは、請求の趣旨や要件事実が複雑な一定の事件で本当にごくまれにある程度ですが、依頼者に無駄な資源を浪費させた責任は決して軽くないと思います。
よくわからんけど、これでいいだろう、間違ってても裁判所が補正してくれるだろう、弁護士の中にはこういう考えを持つ人が増えてきているらしいですが、裁判所頼りの訴訟活動が蔓延すれば日本の司法は崩壊します。
様々なかたちで新人弁護士のレベル低下が指摘されるなか、弁護士になってから最初の数年でどれだけ勉強するか、これが今後勝ち組弁護士と負け組弁護士の分水嶺となりそうな気がします。
今後、間違っても請求の却下をくらわないよう基本的なことからしっかり学んでいきたいと思います。

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