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2007年7月23日 (月曜日)

一万円の養育費

離婚事件では、離婚するかどうかを協議するとともに、離婚する場合は、子供の親権、養育費、慰謝料財産分与などの処理について話しあいあます。
離婚するかどうか、親権者をいずれにするかどうかといった事項は、非常に精神的かつ本質的な内容ですので、これを動かして調整するということはあまりありません。
そこで、調停や裁判上の和解で折り合いをつけやすいのは、どうしても養育費の月額や慰謝料を調整して・・という方向になってしまいがちです。
月額養育費1万円まけるから、こちらは当方の条件をのんでほしい、という交渉はしばしばあるようです。
しかし、養育費の算定表を見ていて、養育費の額を1万円増減するために、年収ベースでどの程度の収入の変化がなければならないか、その大きさにびっくりしました。
養育費1万円まけただけで全体の和解ができれば儲けもの、という考えは全く正しくないことがわかります。
養育費の額は算定表をベースに、交渉が進められますが、あまり安易にこの増減を提案すべきでないことは、弁護士も裁判所ももっと理解した方が良いと思います。
慰謝料も同じで、他に調整がきく要素がないためか、ここでも10万円、50万円単位での譲歩が簡単になされがちですが、判決において慰謝料の額が10万円変わるためにはよほどの事情が必要です。
全体から見れば、相対的で軽微な金銭請求権かもしれませんが、その金額の重要性は非常に大きく、離婚案件のような案件では特に当事者の気持ちの問題が凝縮されている部分でもあります。
手間のかかる離婚案件だからこそ、金銭の面ではスピーディーにやったほうがいいい、という方向で話をする裁判官や調停委員、弁護士がしばしばいて、確かに心情的にはわからなくはありませんが、真にプロとして離婚案件を処理するためには、こういったところも決して手を抜かず、依頼者の最善の結果を模索すべきだと思います。
離婚案件はコストパフォーマンスの面でも、精神的な面でもしんどい仕事ではありますが、これに対する対応の仕方は、その人の人格を反映しているようです。

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