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2007年7月12日 (木曜日)

巨額事件の落とし穴

交通事故の死亡事案や先物取引の損害賠償事案など、訴額が比較的大きくなり、かつ、請求の全部棄却はあまりない事件があります。
裁判でのポイントは認容額だけであり、原告はこれをあげようと、被告はこれをさげようとしのぎを削ります。
金額調整だけがポイントの事件では、裁判官から一定の提案を出して、和解で解決するという場合も多いですが、逆に徹底的に極限まで争い尽くす事案となる場合も少なくありません。
調査すべきことを尽くし、最大の主張・立証を行うということは弁護士冥利に尽きる大変やりがいのある仕事ですが、職務を行ううえで忘れてはならない点があります。
通常、裁判においては、年5%の利息を付した請求がなされます。
元の請求額が巨額であると、長々とこれを争う間に遅延利息がふくらみ、結局支払金額は増大してしまうことになります。
争いのない部分だけでも供託できれば、このような問題は解消できるのですが、供託は債務全体に遅延利息全額を付してなさねばなりませんので、少なくとも1審の判決前はこれを行うことが困難です。
闘い尽くした結果、ある程度依頼者の望みを達成したが、支払金額は増大してしまった、というのでは多くの場合、依頼者の希望をかなえたとは言い難いと思います。
遅延利息だけでなく、巨額の事件となると税法や訴訟費用等の問題も生じます。
事件個別だけ見れば、若手弁護士でもこなせる事件でも、全体を総監して、利益の最大化を図るためには、様々な知識・経験を要します。
これは日々の事件処理はもちろん、新聞やニュースを目にすることからも得られうるものですので、日頃から多方面にわたる興味と意欲をもって生活をすることがこの仕事で成功するために秘訣になりそうです。

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