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2007年6月 5日 (火曜日)

つまらない控訴理由書

判決に不服であれば控訴する。

一般人であっても知っている常識です。

控訴がされれば控訴の理由をまとめて、書面で提出する必要がありますが、この書面の作成は労力のわりにつまらないものである場合が多いです。

まず、民事事件の場合、1審で証拠を出し尽くし、最終準備書面まで書いてるケースが(少なくとも負けた事案では)多く、控訴審で新たに主張・立証することが見当たらない場合が多いです。

刑事事件でも、量刑不当の控訴では、やはり1審で情状立証を尽くしているケースが多く、また、控訴審でちょっとやそっと主張や情状立証をしたところで、判決内容はビクともしないケースが多いです。

当然のことながら、いかに依頼者本位の弁護士といえど、不毛な仕事はなるべくならしたくないのですから、控訴してもあまりすることがなく、結論の変わる可能性も大きくない事案では控訴せずに事件を解決に導くことを考えます。

それでもあまり実のない控訴が相次ぐのは、「控訴すれば自分の正義が認められるはず」と信じる当事者本人の強い意志に基づくものだと思います。

刑事国選事件では、本人が控訴している場合はほとんどやることがなく、弁護士が控訴している場合は何らかの勝算やすべきことがある場合があり、控訴審に費やすエネルギーを把握する一つのメルクマールとなっています。

弁護士の判断で控訴を決める場合は、何らかの勝算や意図を伴うもので、控訴理由書も充実する場合が多いですが(和解狙いの控訴の場合は別ですが)、当事者本人主導の控訴の場合、控訴理由書の内容も、無理矢理とってつけたような内容が多くを占め、つまらないものになりがちです。

我々弁護士は、依頼者の納得のため、という大義名分がありますが、それにつきあわされ、つまらない書面を読まされる裁判官には申し訳ない気持ちがあります。

自分が拙いからつまらない控訴趣意書しか書けないとも考えたことがありましたが、最近高裁事件が非常に多く、相手方に控訴されて、大阪に名だたる有名先生から来た控訴理由書を「つまんね~内容」と感じたことが何度かあり、いかに敏腕弁護士でも、無理筋の控訴事件では控訴理由書はあまり内容を伴わないものになりがちなようです。

決して、「事件自体」を「つまらない」といっているのではなく、弁護士の書く書面がプロの理論家の文章に見えない点をとりあげていることを念のためことわっておきますが、控訴はできる限り①本当に勝算のある事案②高裁での和解をする必要がある場合③当事者の納得のためにどうしても必要な場合、に限定し、むやみにしないよう、させないよう1審から頑張らなければならないと思います。

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