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2007年6月21日 (木曜日)

再生手続はいろんな意味でタイヘン!

個人の債務整理の手続の3本柱は任意整理・破産・個人再生です。
任意整理は過払金や親族の援助なので、借金の支払が可能な場合、破産は収入が少ない等により、全く借金を払えない場合の手続です。
これらに対し、借金全額の返済は困難だが、減らしてくれれば支払える、という人のために個人再生手続がらいます。
この個人再生手続は住宅ローンを支払い続けたい人には有用である反面、そうでない人には、破産以上のメリットはあまりないものなのですが、現実には破産はイヤだ!個人再生を利用したいという人は少なくありません。
弁護士によっては、住宅ローンのない債務者の法的整理では、本人が個人再生を希望しても破産するよう説得する人もいるようですが、債務を消すということがいかに債権者に迷惑をかけることで、超法規的な措置であるかを考えれば、個人再生を希望する依頼者には個人再生手続をしなければならないのは当然のことです。
このような現象が生じるのは、依頼者から見れば借金を全て消す破産よりも、個人再生ならいくらか支払うのだから債権者にとって有利だし、推奨されるだろう、と思うのに対し、裁判所や弁護士から見れば仕事が増える、厳格な書類審査が必要だというギャップがあるからだと思います。
個人再生手続は、借金を減らしてもらって、残額をきっちり支払うという強制的再契約の意味もありますので、裁判所が印鑑を押す以上、その履行可能性については厳しくチェックされます。
また、そのための資料を弁護士はいろいろと作らなければならず、定型的な書式に定型的な書類を付して、数時間程度でもできる破産申立よりも仕事量は格段に多くなります。
これに対して、依頼者は、破産もできるのにわざわざお金を払うのだから、生活の厳しいときには支払いが一部できても構わないだろう、と勝手に考える人が意外にいるため、弁護士や裁判所の考えと、依頼者の考えのベクトルが反対を向いてしまうのです。
確かに、破産より債権者に有利な個人再生が、破産よりも手続が厳しいというのは腑に落ちない点があります。
しかし、手続の内容を考えれば、再生手続の方が厳しく内容を精査されるのは当然の帰結です。
破産でなく再生手続を採用するからには何らかのメリットを感じるからそうしたわけで、そのメリットを享受するために頑張るしかない、というところに正反対を向いたベクトルの調整を求めるしかないのかもしれません。
法律的に素人である依頼者が自分に適切な手段を選択できるよう、弁護士が債務整理を定型的な仕事と思わず、依頼者の実情を的確に把握し、各精度のメリット・デメリットを正確に説明することが今後ますます大事になってきそうです。

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