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2007年6月22日 (金曜日)

裁判の勝算いかに?

裁判・調停・交渉・手続申立、及びこれらの準備段階・・と、具体的事件となっている仕事は、事務所案件と個人案件あわせて現在80件ほど担当しています。
今日は、ちょっと睡魔に激しく襲われたことから、これをまぎらわすために、ファイル整理を行いました。
整理をして思ったのは、やはり事件としては損害賠償と契約の履行請求が圧倒的に多く、次に、何らかの事情で法律に従えなかった状態のフォローが続きます。
裁判は法律違反があることから起こされるものがほとんどで、これらの形態が法律違反の基本的な構造であることは、やはり当然のことでしょう。
日本の民事裁判で、原告の言い分が認められず全部棄却される判決の割合は全判決のうちの1割強であるといわれています。
裁判を起こすにあたっては、弁護士が十分に依頼者の言い分や証拠を精査し、裁判所も受付段階で詳細な訴状審査を行っていますので、その効果であると思います。
アメリカのように何でもかんでも裁判にするのではなく、勝算の見込みの強い事件に限定して、審理をすすめていくことは非常に効率的です。
しかし、あくまで判決の中での割合にすぎず、和解による解決は、判決による解決以上の件数あったり、訴えの取り下げによる解決もあることを考えれば、現実の完全棄却事案の割合はもっと高いのではないかと思います。
請求棄却が判決が出る理由は、①請求原因事実が立証できなかった②抗弁が主張された③請求原因事実としてあげられた事実が法律上の解釈をつめていけば、請求原因を構成するものではなかった
の3点に集約されるものだと思います。
これを個別に見ていくと、①は弁護士の責任によるところが多そうです。
事実の立証は8割以上は書証で行われますが、訴訟提起前に、書証が十分に揃っているか、訴状に書いた請求原因事実との照らし合わせが足りなかったことが原因である可能性が高いと思われます(時々、依頼者が書類を紛失したとか、用意してくれないとかいう事情もありますが)。
②は①同様、弁護士の事前チェックが甘かったのか、相手の弁護士が優秀だったのか、いくつかパターンがありそうです。
③はしばしば難解な事件でありそうですが、アメリカ的な言い掛かり訴訟もしばしばあります。
結局③の前者のパターンを除けば(私も、このパターンで1回だけ請求棄却判決をもらったことがあります)、原告が裁判に負けた原因は9割が弁護士の検討不足1割が依頼者の証拠収集能力不足にあるともいいえます。
これが刑事裁判の場合、有罪判決率は100%にかなり近いものになりますが、警察の証拠収集能力と、優秀な検察官の厳密なチェックがあるからこそでしょう。
私的には、検察官みたいに、勝てる裁判だけ喧嘩をしかける、という考え方はあまり快くは思いませんが、勝算を厳密に精査していくことは是非見習いたいです。
これに対し、弁護士の仕事は企業法務を中心に、裁判で決着を付けるよりも、裁判にならないよう事前の対策を練ることが増えていっています。
どうすれば裁判にならずにすむかは、現実の裁判がどのような経緯で起こったかを理解しないとできません。
将来予防法務をバリバリするためにも、今は現実の裁判でしっかり力をつけていきたいと思います。

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