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2007年6月20日 (水曜日)

被害者が被告人を追及

刑訴法の改正により、一定の重大犯罪について被害者が検察官の横に座り、証人尋問や求刑意見を述べることができるようになります。
被害者の刑事裁判への参与は昔から望まれてきましたが、ようやくその1歩が実現したかたちです。
検察官の隣へは、修習生時代になんどか座ったことがありますが、傍聴席から裁判を見るのと、検察官席から裁判を見るのとでは、物理的な距離は同じでも、心理的な距離は全く違います。
この改正の意味は、まずは被害者またはその遺族がその無念さを晴らすせめてもの機会となれば、というところにあります。
それはそれで非常に大事なことではありますが、ただ、この改正が、被害者の内心的な部分に対するもので終わってはならないと思います。
裁判所は有罪判決を下す際、量刑事情を積極・消極の双方向で検討しますが、被害者が参与しない刑事裁判では、「被害者は依然、強い被害感情を有している」(+)、被害感情を考慮しない(±0)、「被害者との間で示談が成立し、被害者は被告人を宥恕している」(-)の3通りに分類され、あたかも関数に変数を放り込むように、集積された裁判例に則った量刑がなされているのが現状です。
被害者が意見を述べたからといって即大幅な量刑変更があるというのはおかしな話ですが、このような3分化ではなく、裁判官が被害感情の程度等を適切に見極め、量刑判断に考慮できるようにすることは、今後の裁判制度への信頼獲得の意味で大きなことだと思います。
裁判員制度も被害者参与の制度も、より多くの人が納得できる刑事裁判の実現を目的としたものなので、裁判官が参加した一般人の意見を押し殺して、従前の裁判例通りの判決を下し続けることが最も恐るべきことではないかと思います。
逆に、これに参与していく人たちが、従前の裁判例に縛られた裁判官の思考を開放していくことこそが望まれます。
刑事司法が大きく変わろうとしている中で、少しでもこれに関心と意欲を持ち、積極的に司法に参与していこうという気運が高まるかが大事なのでしょう(我々の立場からすれば仕事が増えて大変ですが)。

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