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2007年5月 9日 (水曜日)

拘置所の生活水準

「拘置所に入って生活はどうですか?もう二度とこんな辛い生活はしたくありませんよね?」

とは、初犯の被告人に対し、よく聞く質問です。

昨日書いたとおり、初犯の被告人の場合、悪質な犯行でなければ執行猶予が内定しているようなものですから、この質問をすることは茶番に近いものである反面、裁判結果には影響を及ぼさないものの、被告人にとっては重大かつ切実な事情・・・だと信じてやみませんでした。

今日は、国選弁護事件選択日の初日でしたので、早速事件を選択し、午後には接見にいってきました。

真夏日に近い気温のなか、汗だくになりながら自転車で大阪拘置所へ(距離はありますが、自転車で行くのが一番速いのです)行き、待合室でも大勢の弁護士が順番待ちをしているため、暑苦しい思いをしてきました。

ところが、いざ接見室に入ってみると、クーラーが効いているのか快適な涼しさで、接見が終わるとまた猛烈な暑さと湿度。

初回接見ですので、話の内容は公訴事実の認否、事件に至る経緯の聴取、情状証人の有無、反省文作成指示くらいで、15分ほどの接見であったのに対し、待合室での待合時間が30分、往復に要した時間が合計50分で、ずいぶん割りに合わないな(今日は合計3人と接見したのですがそれでも)と感じます。

接見室が涼しかったのは、仕事を円滑に行うための配慮であるのか、監守のためであるのか、拘置所内全体がそうなのかわかりませんが、長くいる待合室の方が、被告人と話をする場所より快適なことには、少し驚かされました。

そういえば、近時は、必ずしも拘置所や刑務所を嫌う人ばかりではなく、社会で生活していくことを放棄した人が、生活のために窃盗や詐欺を行い、その後刑務所で公費で生活させてもらう、という人が出てきているのではないかという話も時々聞きます。

もし、そういう人がいるのであれば、拘置所は行きたくない場所ではなく、最低限度の生活を保障してくれるオアシスであるとさえ感じているかもしれません。

これは、拘置所や刑務所に入ることの感銘力が落ちてきていることの現われかもしれません。

昨日も書いたとおり、軽い量刑を勝ち取ることが正義ではなく、被告人を公正させることこそ、弁護人に課せられた重要な役割ですが、いかにこれを実現するかについては、社会情勢の変化に敏感に対応する必要があるかもしれません。

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