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2007年5月10日 (木曜日)

弁護士の転職事情

ネットを見ていましたら、サラリーマンの転職事情についての専門家の検討記事がありました。

サラリーマンの3割が3年以内に転職する時代とのことですが、弁護士業界、とりわけ東京ではもっと激しい頻度で人が回転しています。

採用する事務所経営者側としても、パートナーとなるかどうかはともかく、できる限り長くいてくれるかどうかに採否の重要なポイントを置くところが増えています。

もともと自由をこよなく愛する人たちがなりがちな仕事ですが、このような回転の速さには、この業界特有の事情がありそうです。

イソ弁が就職する事務所を選択する際に重視するのは、自分のやりたい分野の事件処理について学べるかどうか、自分が成長できるかをベースに、事務所の将来性や給与その他の給付の多寡などを見て判断します。

多くの法律事務所は顧問先とその紹介絡みで仕事を受けるケースが多く、事件内容に偏りが必然的に出ます。

まずは基礎的な事件処理を身につけ、次に企業法務や知財事件といった難解な事件を取扱い、最後に、個人事務所経営のノウハウを学んで独立、という流れを考えた場合、この全てを学べる事務所というものはなく、2,3の事務所を巡って独立、という流れになることが多いです。

このうえに、入所してからボスや兄弁との関係をうまく調整できず、やめるというケースもあり、①自分のやりたい仕事のできる事務所を探す②自分が仕事しやすい環境の事務所を探す、という大きな二つの目的で、転職が決意されます。

このような事情の背景には、難関試験を突破したエリートだから、辞めてもすぐにまたどこかに就職できるという余裕が必要不可欠な前提としてあり、その先には独立という目標が見据えられています。

しかし、59期からは事情が変わりつつあります。

合格者の大量増加により、就職先の確保が困難になり、どこでもいいからとりあえず入れる事務所に入る、という人が多くなりました。

上記の必須の前提条件であった余裕が失われ、逆に事務所にしがみつく方向に志向が変わりつつあります。

まずは、就職先を確保し、できればパートナーになって最低限度の生活を確保したうえで、そこで余裕が生まれれば自分の好きな仕事をしたり、仕事及び収入を増やしたりする志向に変わりつつあります。

将来的に独立はしたいし、一昔前なら独立を決意していたかもしれないが、今独立して、弁護士会の法律相談の数が減っていったら、そのうち食べていけなくなるかも、と考えて独立を控える弁護士も、私を含め結構います。

そうなると、これまでイソ弁の流出阻止に躍起になっていた事務所は今度は使えないイソ弁を辞めさせられないことに不満を覚える時代が来るかも知れません。

転職は実力ある人の特権であるともいい得ますが、これまで閉鎖された特権階級の中でこれをふりかざしてきたカテゴリーが、規制緩和の余波を受けて、その傾向が大きく変わろうとしています。

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