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2007年5月20日 (日曜日)

任意整理か個人再生か破産か

債務超過の人が、弁護士を通じて債務整理をする場合、まず方針と弁護士費用の捻出を検討する必要があります。

この過払バブルの時代、真面目に長年返済を続けてきた人、定期的な収入の見込みがあり、将来の利息をカットすればなんとか支払っていける人、は任意整理で弁護士費用も分割または過払金からなんとか支払えるでしょう。

債務者と貸金業者が共存するためには、できる限り任意整理で解決できれば、と私も思いますので、自分の弁護士費用は後回しでもいいので、なんとかこの方向性で解決できないかまず考えます。

近時、破産件数が徐々に減ってきているようですが、これは想定外の過払金が入り、破産しなくてもすんだというケースがやはり想定外に多かったからではないかと思います。

こうして、任意整理できるケースを除外すると、法的整理をする人は①近時まとまったお金を借り入れ、②生活も現在ギリギリの収入でやっている、という人になります。

ここで、①の借入の経緯に特段の問題がなく、②においても弁護士の受任通知の発送により返済が一時的に止まれば、弁護士費用を分割で捻出できる、という人であれば弁護士を通じた法的整理ができ、破産や個人再生をする人の基本的なケースがこのようなケースです。

しかし、借金に至る経緯や現在の収入状況に着目して任意整理か法的整理か判別する際、両者の間に大きな格差があるような気がしてなりません。

任意整理ができる人は長年の支払継続か現在の収入の安定か、一般人以上にまっとうな生活をおくっている面があり、こういう人は速やかに救済しなければならないと強く感じます。

他方で、法的整理やむなしの人の中には、短期間に多額の借金をしたわけですから、その経緯には首をかしげざるをえないケースもありますし、そういったケースには法テラスの法律扶助審査も近時厳しいチェックをいれるようになっています。

また、弁護士費用を分割で約束しても、半年以上の分割となると途中で頓挫する依頼者の方が多くなるというのもまた現実に存在します。

債務整理事件のなかのこのような格差拡大の中で、今後、法的整理すらできない人もどんどん増えてきそうですし、債務整理案件で食いつなぐ零細個人事務所などでは、裁判所に事情をひた隠しに隠して無理矢理免責を勝ち取るところが増えてきそうです。

利息制限法の金利改正により、中堅以下の消費者金融業者の存亡が危惧されていますが、それと同時に、破産・免責ギリギリの債務者や、経営ギリギリの零細事務所の存亡についても大きく危惧されるべきでしょう。

今、このような問題を真摯に受けとめ、前向きに将来を考えるか、先の事はあまり考えず、今を楽しむか、「アリとキリギリス」の存亡合戦は既にはじまっているのだと思います。

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