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2007年4月18日 (水曜日)

反対尋問権の意義

証人尋問にあたっては、その証人を申請した側が有利な事情を聞き出す主尋問のほかに、相手がその証言内容を弾劾するなどする反対尋問の機会も保障されます。

これは、双方当事者に平等の機会を与えて手続保障をはかるとともに、より正確な証言を求めることにより、丁寧かつ確実な心証形成を意識した制度です。

ただ、この反対尋問は必ずしも全ての場合に保障されるものではありません。

私の知るある事件について、相手本人が、証人と話をしたいから、反対尋問権を行使すると主張しているものがあります。

主尋問で出てくるであろう内容についてほとんど争わず、当該裁判の争点と関係のない事情を聞こうとする反対尋問は権利として保障されないものだと思います。

もっと、極端な例を挙げれば、元愛人である証人と直接言葉をかわしたいから、事実には争いないが、証人請求してほしい、と要求した当事者の話も聞いたことがあります。

この反対尋問権いついて、刑事手続では、供述調書に同意すれば権利を放棄したものとみなされ、証人尋問は行われず、争点についての立証の関係上反対尋問権を行使したい場合には供述調書を不同意にする、という手続で運用されています。

同意・不同意について、裁判所による適切な訴訟指揮により、反対尋問権が濫用されることのないよう配慮されれば非常に合理的な手続だと思います。

民事手続では、この供述調書に代えて、陳述書というものを用意しますが、陳述書はもっぱら証人尋問の準備のためのものであり、争点と関係のない補充的な陳述書を除けば、証人尋問の施行を前提としています。

反対尋問権の保障を原則としつつ、ごく一部の陳述書については、これを省略してもよいという手続の流れでは、証人尋問に無駄が生じないか、疑問が残ります。

ましてや、反対尋問権が保障されるかどうかは、当該権利を有する相手方当事者が人証申請をするか、陳述書の提出に留めるかの判断にかかっているというのもおかしな話です。

証人尋問の長時間化、無駄の増加については以前も記事にしましたが、これに対処していくためには、争点整理段階でできる限り詳細な事情についてまで認否を確認し、争いのある事情に厳選して、中身の濃い尋問を心がけるべきなのでしょう。

そう考えると、主尋問・反対尋問とも、現状の証人尋問の在り方は改善点がいりいろあることが見えてきます。

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