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2007年3月23日 (金曜日)

刑事国選弁護(高裁)の実務

国選弁護の刑事事件を担当するのは、比較的手の空きやすい若手弁護士やおじいちゃん弁護士の重大な仕事です。

国選弁護事件の割り当てに際しては、弁護士会へ出向いて事件を選ぶことができますが、地裁・簡裁事件で与えられる情報は罪名・留置場所・追起訴の有無・通訳の要否だけで、具体的にどんな犯罪を犯したとか、否認しているかどうかなどはわかりません。

選択してしまえば、後は開けてびっくり玉手箱状態です。

これに対して、高裁の場合、記録の丁数がわかります。

これにより、記録の丁数の多い事件は内容複雑または否認事件、丁数の少ない事件は簡易な自白事件であると推測をたてることができます。

選任を受けて、記録を読みに行く際、注目すべきメルクマールが一つあります。

一審弁護人が控訴申立をしたか、本人が控訴申立をしたかです。

弁護人による控訴申立の場合、控訴審ですべき活動、判決内容変更可能性等が十分に吟味されて控訴される場合が多く、前向きにすべきことは多いです。

他方で、拘置所には控訴申立の書式が常備されており、自分で控訴申立をするケースも多いです。

弁護士の助言を無視して強行したもの、漠然と刑に不満なものなど、とりあえず控訴したという事件が多く、弁護人として何をすべきか困ることがあります。

それでいて、弁護人に連絡なく突然控訴取下をしたり、いきあたりばったりな印象の事件が多いです。

記録を読み込み、謄写もし、遠方の拘置所に接見に出掛け、控訴審の方向性を定めて控訴趣意書をおおむね書いたところで控訴取下をされた経験がありますが、「俺の時間を返せ~~~!」と叫びたくなります。

とりあえず刑に不満だから控訴したけど、控訴審の国選弁護人と話しても、刑はかわりそうにないから、早く刑に服した方が早く出られる、という考えなのでしょうか。

接見に行った際、取り下げの意向を聞かせてくれれば、弁護人としても対応ができますが、控訴趣意書作成段階に入ったあと、突然控訴取り下げをするのには参ります。

そういった感じで、控訴審の国選刑事弁護は仕事としての創造性も乏しく、やりがいも少ない、努力が一瞬に水泡に帰されることもある大変な仕事ですが、刑事裁判の判決をしっかりと検討したうえで、どのような展開にもっていけば、裁判所は心を開き、被告人のためにもなるかを考えるのは非常の自分のためになります。

3か月に1回まわってくる単発の仕事ですが、大事に対応していきたいと思います。

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受信: 2007年3月31日 (土曜日) 11時43分

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