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2007年2月15日 (木曜日)

もはや理屈じゃない・・

任意整理は今弁護士業界で最も多い仕事の一つですが、あまりに事件数が多すぎるせいか、その会話内容は、本当にこれ交渉か?と思うような理屈以前のものがしばしば聞かれます。

業者側は、なりふりかまわず過払いなら減額を、請求なら増額を要求し、裁判上成立しえない悪意の利息を排除しようとしたり、逆に請求する側になれば、利限一括・・さらに遅延利息を・・と、弁護士側がおれるまで必死に請求します。

私は早期解決のためと、不毛な駆け引きはしたくないことから、(場合によっては弁護士費用は後回しでも良いので)最初の段階で精一杯の和解案を出しますが、業者側はそこからいくら譲歩させられるかを競うかのように、1円単位で再度の和解案の提示を求めてきます。

他方で、弁護士側は、依頼者に法律を守らせることが職務であることと、真実義務があることから、虚偽の事実を述べて交渉すると首が飛ぶおそれがあります。

しかし、業者側の言い分があまりになりふりかまわないためか、弁護士側の言い分も不可解なものになってきれいるようです。

利息制限法残額から端数をカットして一括支払の和解案を提示することは、双方合意しやすい理想的なものですが、はじめからこの和解案を出すと、業者側は利息制限法に従った額は下回れない、分割でもいいから全額払えなどと要求しています。

その場合、ある弁護士は「こちらは一括での解決を望んでいます」と言えば蹴散らせると話していたのですが、これは全く理屈ではありません。

どんな和解案を出しても、必ず上乗せ請求がされる、それなら最初から低めの和解案を提示して、後で譲歩して帳尻を合わせよう、と弁護士側も考え、それなら、ごねたら大抵和解案は上乗せされるものだからどんどんごねよう、と悪循環に陥ってしまいます。

こんなつまらない駆け引きは極めて不毛で、私は気に入りません。

こうならないためには、毅然たる態度をとるとともに、早々に譲歩して和解するか、早々に訴訟提起して追い込むかのいずれかでしょう。

グレーゾーンがなくなれば、任意整理事件は劇的に減少しそうですが、それまでは、この不毛な戦いが続くかと思うと、弁護士になったことについて良くないと思ってしまうことすらあります。

まぁ、交渉のプロたるべき職を自分で選んだのですから、投げ出さずに頑張っていきたいと思います。

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