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2007年2月22日 (木曜日)

尋問時間の使い方

証人尋問は通常午後に行われます。

午後の方がまとまった時間をとりやすいからです。

そして、中規模以上の事件の場合、1時過ぎから5時前まで3時間30分ほどの時間で行われますが、弁護士としては、210分で全ての証人を主尋問・反対尋問・補充質問を終わらせるのは困難だと感じる場合が少なくありません。

尋問時間を決める前には、事件の規模や陳述書の枚数などからおおよその主尋問時間を設定し、同程度の反対尋問の時間を設定し、総尋問時間を決定しますが、合計時間が300分を超えることはしばしばあります。

本当にそのような尋問時間が必要な場合には、裁判所も尋問期日を複数とりますが、そうでない場合、無理矢理200分あまりの尋問時間にねじこむことになり、弁護士による尋問時間を制限されます。

尋問時間を厳選するだけでも大変ですが、現実には、計算に含まれない宣誓の準備や、当日思いついた質問が出てきたり、裁判官による補充尋問の時間もありますので、終盤の方には駆け込み尋問になりがちです。

記録をとりやすいようにゆっくりはっきり受け答えをしてほしいという裁判所の要望にできる限り近づけたいとは思いますが、裁判所による尋問時間の削減により、これができなくなるというジレンマはしばしば発生します。

そうならないためにも、効率的な尋問を準備する必要がありますが、具体的に何ができるか考えてみました。

1,陳述書を厚く書いて尋問は重点に絞る

模範的回答ですが、詳細すぎる陳述書は反対尋問の格好の餌となりますので、私的には是非採用したい方法ですが、バカ正直な訴訟活動をして依頼者を不利益にしてはいけないという規範にも直面し、悩んでいます。

2,主尋問は陳述書の補足を心がける

これも模範的回答ですが、現実にはいかに裁判官の事案をわかりやすくアピールするかが尋問のポイントですので、なかなか陳述書にかいてあることはさらっとスルーして、というわけにはいいませんし、陳述書に書いていないことばかり質問したら陳述書の反対尋問準備の機能を損ない、クレームがつきかねません。

3,反対尋問を最少限度に削る

最初この意見を聞いたときは「エッ!」と思いましたが、よくよく考えてみると、反対尋問でつつくのは陳述書のごく一部にすぎませんので、反対尋問を主尋問と同程度の時間要するという事案はあまりないのでしょう。

反対尋問のポイントをおさえ、端的に相手の供述の問題点を裁判官の前で洗い出す作業こそ、優れた弁護士の仕事であると思います。

今日行った尋問では、反対尋問を厳選し、時間を大幅に削ることに成功しましたが、相手の尋問や補充尋問が長くて進行が遅れたにもかかわらず、裁判官が時間を削減した私の方にもさらなる尋問時間の短縮を求め、それでいて、ショートカットしようとしたら横やりが入るという流れは、少し納得のいかないものでした。

ただ、今後の効率的な尋問のために若干のヒントが見えて一日でした。

代理人が意味のな質問をするから、法廷で寝る弁護士や裁判官が増えているのかもしれません。

少数精鋭の尋問を目指したい・・と締めくくりたいところですが、争いのある主要事実の立証のための必要な間接事実・再間接事実・・をどこまで立証すべきか、自身をもって判断しえない状況では、大胆な尋問カットは困難で、今はたくさんの裁判例を読み、裁判所の事実認定の考え方をしっかりと学ぶことが先決であるというのが今日感じた結論です。

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