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2007年2月24日 (土曜日)

キレた者が負け、キレさせた者が勝つ世界

今週は尋問あり最終準備書面ありと非常に多忙な週で、3日前は12時過ぎ、一昨日は午前1時半まで、昨日は2時すぎまで仕事し、今日も土曜日なのに今なお仕事中で、大変を通り越して感覚が麻痺してきた感があります(くそまじめに毎日ブログ書いてるからこんなことになるのかも(^_^;))。

以前、携帯電話は弁護士の仕事に邪魔になる面が多いという記事をかきましたが、このような状態で、着信があっても対応しきれませんので、木曜の夜から携帯電話を一時封印しています(やりすぎ?)。

様々な事件を取り扱う中で、この世界、キレたらそれまでいくら品行方正に振る舞ってても負けで、先にキレさせれば、経緯に問題があっても、道義上の問題はありますが、裁判結果は有利になるという傾向があることがなんとなくわかってきました。

先週書いた手を出した方が負けという記事と、同じ趣旨になるかもしれませんが、法律上の責任追及の可否については一定の超えてはいけないラインが設定され、そのラインを超えていなければいくら道義上の問題があっても責任を追及されない反面、そのラインを一歩でもこえてしまうと、途端に大きな責任を追及されてしまうという結論となってしまうことがあります。

離婚案件などでは、調停提起前の段階では、離婚原因がなくとも、一方から調停がなされたことを契機に大げんかに至り、離婚というケースは少なくありません。

この場合、相手方は冷静に対応していれば離婚請求を退けられたにもかかわらず、離婚調停を提起され、家裁で一方的な主張をされることに耐えきれずキレてしまい、結果として、相手に乗せられたかたちとなります。

尋問でもしばしば証人がキレて大逆転という話はあります。

ある証人が真実を隠している場合、その代理人は「何を聞かれてもここだけは守り抜け、それで勝ちです」と作戦を練り、伝授します(もちろん、偽証教唆はしませんが)。

相手代理人は隠している真実を話してもらうために、あらゆる方向から間接事実をつきつけ、証人を追いつめていきます。

このような状態では、証人も相手代理人も必死であり、冷静に理屈を組み立てる余裕はあまりありません。

挑発、誘導が行われないという保障はありません。

それによって、証人がキレて真実を漏らした場合、この証人は負けます。

キレて腹の中にたまった鬱憤をぶちまけたら、この証人の証言は信用されず、大きく不利になります。

キレずに、耐えきったら勝ちですが、キレてしまえば、後で代理人の質問が挑発的だったなどといっても遅いです。

世の中自分の思い通りにならないことの方が多く、そのようなときも冷静に前向きに対処できるクールさ、謙虚さ、人としての様々な面での余裕の必要性が強くうかがわれます。

キレる子供が増えていることについて論ぜよ、という論文試験が研修所の卒業試験であったような気がしますが、大人であれば、キレることの愚かさ、これによる損失は理解できるのではないかと思います。

キレないキレさせない社会が形成されていけばと思う次第です。

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