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2007年1月12日 (金曜日)

財産差押

原告側の訴訟では、いかに裁判に勝つかよりもいかに相手から金を回収するかどうかのほうが困難なケースが多いです。

それでいて、依頼者は裁判に勝った途端、気が大きくなり、「何で裁判に勝ったのに金が入ってこないのか」と、強く言ってくることが多く、大変です。

強制執行は多大な費用と労力を要する反面、成功確率はあまり高くなく、弁護士としてはあまりやりたくない手続の一つです。

それゆえ、裁判に負けてもわざと嫌がらせで、支払わなかったり、強制執行に値しない軽微な金額を差し引いて(振込手数料など)、支払ったりするケースもあるようです。

他方、一般市民にとっては、強制執行手続はさも恐ろしい手続のように感じ、内容証明郵便にその旨記載されているだけで、慌てて債務を弁済するケースも決して少なくありません。

そのような思惑のなか、2ちゃんねる管理人の西村博之氏に対する強制執行問題が浮上しました。

強制執行の困難性を知悉し、これを巧みにかわし続ける西村氏に対し、ある債権者はとうとう2ちゃんねるの本丸の仮差押えに着手するようです。

財産的価値のあるものは差押え可能とする東京地裁の方針によれば、これも可能のようですが、電子掲示板群の経営能力のない者にとって、本当に財産的価値のあるものなのか、結局単に2ちゃんねるに対する嫌がらせにすぎないのではないかという感は否めません。

仮に2ちゃんねるのサーバーが差し押さえられたとしても、多大な労力と費用を投じて移設すれば同様の掲示板群は復活させられるようですが、嫌がらせで多大な負担を掛けられるのは、強制執行の逆の立場に立たされた感じではないかと思います。

ただ、強制執行の法制度上の問題点により、これが嫌がらせ的に利用されることは、当事者間ではある程度はやむを得ないものの、第三者に迷惑をかけ、その利益を担保によるまねは許されないと思います。

嫌がらせも、相手当事者以外の人(第三債務者や裁判所書記官、一般2ちゃんねるユーザー等)に迷惑を掛けないよう配慮しながら行うべきでしょう。

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コメント

地方行政が本人に無断で預貯金の一部を差し押さえる事が出来るのでしょうか?

投稿: 不破健治 | 2010年12月13日 (月曜日) 20時40分

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