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2007年1月 9日 (火曜日)

説明義務違反と簡単に言うけれど・・

契約上重要な事項について一方当事者が説明義務を怠った場合、他方当事者は契約の解除や損害賠償請求ができる場合があります。

この「説明義務違反」という言葉はマスコミ露出が多いせいか、あまり法律に詳しくない人もよく口にします。

しかし、説明義務違反というのは簡単ですが、それを法律上の主張に構成するのはなかなか容易ではありません。

1,Why

説明義務発生の根拠の多くは信義則に求めると思いますが、信義則上の主張は周辺事情全体から総合的に判断されるべきもので、即時に説明義務の発生を裏付けるわけではありません。

2,What

いかなる範囲の情報につき説明義務があるか、も大きな問題があります。

単純にまとめれば、一定の重要情報で、権利者においてこれを知ることが困難であるのに対し、義務者においてこれを容易に知りうるもの、といえると思いますが、これでも対象の幅は広いと思います。

3,When

時系列のいつの段階で説明義務を果たすべきか、も時々問題になります。

必ず最初に説明を要する情報、原則として最初に説明を要するが、追完をを認める情報、説明時期を問わない情報・・など、情報の分類に応じて、義務違反の態様がかわる場合があります。

4,Who

誰かが説明義務を果たさなくてはいけないとしても、複雑な当事者関係の中では時に、誰が義務者であるか厳密に判断せざるをえない場合もあります。

5,Where・・はあまり関係ないかな?

電話やファクシミリで遠隔地から義務を果たして良いか・・などはあまり問題にならなさそうです。

6,How

口頭での説明で足りるのか、書面を要するのか、書面を要する場合、捺印は必要かなどは、結果としては裁判結果を左右する大きな争点にはなりにくいですが、当事者の主張の中ではよくみかけるポイントです。

以上のような厳しい要件を満たして、説明義務違反が認められるとしても、それに対応する結果の存否、及び因果関係の存否は大きな問題となります。

確かに説明義務違反はある・・しかし、真実を知っていたところで、何もかわらなかったのではないか、という事案は非常に多いです。

結局、説明義務違反が法律的主張として有効なのは、まだまだ、詐欺まがいの悪徳商法の契約解除の場面以外ではあまりないかもしれませんし、このような事件では、消費者契約法や特定商取引法等の便利な法律があるため、結局あまり活躍の場はないかもしれません。

近時、手術前の医師の説明義務についてちらほら裁判例が出てきましたが、説明義務違反による法的主張は、今後の裁判例の蓄積を待って、その使途が定められていきそうです。

いかにも潰れてしかるべき悪徳商法の契約を解除するために内容証明郵便を作成するときも、いかなる情報のどのような説明義務にどういうかたちで違反したかを丁寧に書こうとすると結構検討に検討を要するものです。

一般人に身近な概念こそ身近に主張されるべきだと思いますので、もっと研究を重ねていくべき概念だと思います。

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