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2007年1月26日 (金曜日)

契約終了後の過払請求

空前の過払訴訟ラッシュの中で、既に契約の終了した消費者金融に対する過払金請求ができるか、時々聞かれます。

これに対して、「契約終了しているなら債務整理の必要性がないから、元債権者は取引履歴を開示してくれないよ」と言う弁護士や法律事務所事務員もいますが、これは間違いです。

確かに、取引履歴は金融監督庁事務ガイドラインによって「正当な理由」のある場合に、消費者金融に開示義務があり、債務整理の必要性がある場合には、当然にこの要件を満たしますが、既に契約が終了し、取り立てをうけていない状態では、この正当な理由があるかどうかにつき、疑問の声もあります。

消費者金融側も、ただでさえ過払請求の対応に忙殺されているのに、そのうえ、既に契約が終了し、帳簿上も決済の済んだ契約が、過払請求というかたちで再燃させられるのはぜひとも避けたいところです。

そこで、既に終了した契約の相手方に受任通知を発送しても、無視されるか、債権額0の債権届出書を送付されるかで、取引履歴は開示されませんし、電話をかけて口頭で要求しても、必要性や理由を聞かれ、これにきっちりと対応しないとやはり取引履歴は開示されません。

そういうわけで、「たぶん取引履歴を開示してくれないだろうけど、一応出してみるか」という程度の気持ちでは、相手にされません。

それで取引履歴の開示を受けられなかったら、弁護過誤の問題も生じ得ます。

その契約自体は終わっていても、他に債務が残っていれば、過払金を回収して他の債務を返済する必要性は十分に認められます。

さらに、高利の消費者金融の債務を返済したことは、過払確実であることを示しており、確実に存在する不当利得返還請求権の額を明らかにすることも正当理由にあたると考えます。

そういうわけで、弁護士が毅然たる態度をとれば、契約終了後の過払請求は可能で、私も既に何件か回収しました。

過払請求については、債務者側から見れば、誰でもいいから弁護士に助けてほしいと思っている反面、弁護士側では人によって熱意が全然違います(悪意の利息を請求しなかったり、訴訟提起しない手抜き弁護士が意外に多いようです)。

同じ取引履歴からいくら過払金を回収できるか、契約終了後の過払請求もきちんとこなせるか、そのあたりで弁護士の資質・熱意・能力が総合的に試されているのかもしれません。

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