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2007年1月16日 (火曜日)

最終準備書面の意義

昨年末の尋問ラッシュ明け、最近は最終準備書面の起案ラッシュが大変です。

最終準備書面は尋問結果もふまえて、記録全体から、依頼者に最大の主張を構成する最後の仕上げの仕事ですので、作業量も要する頭の回転も半端なく大きいものです。

司法研修所の民弁修習も、表向きは弁護士に必要な素養一般を養うものとされていますが、後期修習などは、ほとんど最終準備書面の起案能力にしぼって養成されます。

ところで、判決に至るには、証人尋問を経てすぐ判決に至る場合と、証人尋問後、最終準備書面を作成して、1期日おいて判決に至る場合とがあります。

前者は比較的結論が明白であったり、証拠構造及び争点が単純な事件で多く、後者は結論がどちらに傾くか微妙な案件や、間接証拠や間接事実を積み重ねて不利証言の信用性を弾劾したり、自分に有利な理屈を組み立てたい場合におこります。

当然、裁判官は証人尋問を聞きながら心証を形成していくわけですが、最終準備書面の作成期間として1か月おいても、1か月判決がそのまま先延ばしになるケースが多く、結局、裁判官は、尋問調書ができて、最終準備書面が提出されてから判決を構成しようと考えている場合が多いようです。

これでは、尋問の記憶が薄れ、最終準備書面も、ただ当事者に最後の意見陳述の機会が与えられたにすぎないとさえとらえられかねません。

しかし、心証は尋問調書よりも生の証言から形成されるべきですし、代理人の最終準備書面は、裁判官の抱いた心証を吟味する手段として有効な場合が多いと思いますので、裁判官の心証形成はもっと早くに具体化されるべきではないかと思います。

判決が出るのが遅くなったり、尋問中に寝ているのではないかという動きをする裁判官がいるのが、裁判官の仕事の過多のせいなのか、判決作成をのんびり考えているせいか知りませんが、今の運用では、尋問や最終準備書面がただの儀式に陥っている場合もあることをふまえ、その是正に努めなければならないと思います。

他方で、裁判官がそのように考えるのは、裁判官から見てくだらない尋問や最終準備書面が多いことにあるかもしれません。

弁護士は依頼者の顔を立てなければならない点で、裁判所と裁判に対する意向がずれる部分がしばしばありますが、これをできる限り裁判官の意識に近づけ、裁判官の立場で賛同できる尋問や最終準備書面にするよう心がける必要がありそうです。

弁護士志望の修習生の中には、裁判修習は時間の無駄だという人も少なくありませんが、こういったところに弁護士の裁判修習の意義はありそうです。

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