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2007年1月18日 (木曜日)

余計なお節介?

裁判所は、当事者が主張もしていないことを取り出して、勝手に判決を書いてはいけませんし、当事者が気付いていないことを指摘して、一方のみに有利な取扱をしてはいけません。

これは、裁判の公平を保つために、できるかぎり当事者の自主性を尊重するとともに、裁判所が一方のみに荷担して、不公平が生じないようにするための制度です。

ところで、破産申立の場合、最近、裁判所は債権者一覧表の中に過払の可能性のある債権者がいたら、職権で取引履歴を開示し、過払かどうかをチェックするよう指示してきます。

消費者金融業者は今、未曾有の過払請求ラッシュのなかで、大変なやりくりをしていますが、破産申立の受任通知が来て損金処理の準備をしていたら、いきなり過払請求が来るというのは非常にしんどいことだと思います。

弁護士側においても、過払が非常に多額であるのならともかく、僅少な過払で破産申立に影響しない場合、これを取り立てても大した報酬にはならず、依頼者の手元にも入らず、残りの債権者に按分弁済するという手間のかかる作業を要するだけで、大変です。

按分弁済を受けた債権者においても僅少な額の配当を受けただけでどれだけ満足できるかはわかりません。

(裁判所においても。破産部が頑張ることによって、訟廷や通常部が過払訴訟の増加のしわ寄せをくらっているかも・・・)

結局誰も望まない手続を裁判所はさせているのではないか、当事者主導の裁判手続に反するのではないかと、ふと思いました。

ただ、これは破産がいかに重大なことであるかという規範意識が鈍磨してきているからこそ感じるものかもしれません。

毎週のように債務整理案件を受任し、大阪だけでも毎週100人を超えるであろう人が破産宣告を受けているという事実に慣れすぎているのかもしれません。

債務整理の方針を定めるに際して、弁護士としても依頼者としても破産が最も簡便で楽だからということで、破産申立を選択しやすいですが、できるかぎり過払請求をして、できるかぎり支払って任意の手続で解決すべきということをもう少し意識すべきと感じます。

過払があるのにそれを看過して破産申立をするということは、弁護士としてやってはいけないことの一つであると、裁判所が警鐘をならしているようです。

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