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2006年10月12日 (木曜日)

判例を変えられるのは最高裁

最高裁で、下級審が言い渡した実刑判決を破棄し、執行猶予を付した判決がありました。

最高裁が量刑不当の主張を採用することは珍しく、実刑判決を執行猶予に変えたのは16年ぶりとのことです。

最高裁は下級審の判断を変えないというのが通説で、一般論としてはそれが正しいのですが、時折こういうドラスティックな変更判決が出ます。

刑事裁判の量刑は、平等主義・客観主義の観点から裁判例に則って決められます。

それゆえ、裁判官の主観において執行猶予にすべきと考えても、裁判例が実刑の方針であれば、裁判例に従って実刑判決となる公算が高いです。

「個人的には猶予にしたいけど、裁判例の傾向をふまえれば実刑にせざるをえない」という合議が裁判官室でなされている可能性も十分にあります。

このように判例主義で一般人の常識的感覚に明らかに反する下級審判例が現れた際、上級審で変更される可能性が増えていきます。

ただ、判例主義のもとでは、いきなり自分の主観を信じて大幅な変更を加えては、当該裁判官の首が危険な状態になります。

それゆえ、古い裁判例を変更できるのは最高裁のみであるとも言いうると思います。

弁護士は依頼者への説明義務がありますので、最高裁まで争うメリットはあまりなく、費用倒れになる可能性もあると、説明する必要があります。

しかし、それは必ずしも最高裁への上告が無意味であるとの説明ではなく、今回の件のように変更に成功する場面もあるということをふまえ、どの程度の確率で上告が認められるかを見極める力えおつけ、依頼者の権利を最大限に実現していかないといけないと強く感じました。

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