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2006年7月18日 (火曜日)

戸籍取扱事務のウラオモテ

法制審議会の「戸籍法部会」は18日、戸籍情報を原則非公開とし、弁護士ら専門職や国、自治体などが戸籍謄本、抄本を職務上必要とする場合でも、交付請求の際に理由を証明するよう義務付ける戸籍法改正要綱の中間試案をまとめました。

近年、弁護士らの不正取得事件が相次いだことや、国民のプライバシー意識の高まりに応えるのが狙いのようです。

国民の意見を募った上で年内に要綱案を決定し、法務省は来年の通常国会に改正案を提出する方針のようです。

この改正案には、戸籍取扱事務のウラオモテが見え隠れします。

戸籍に書かれた内容は一級のプライバシー事項である以上、これを保護しようとする動きは当然です。

しかしながら、戸籍の取り寄せは、弁護士にとってただの事務にすぎず、できるかぎり簡易・迅速に行いたいという意向が譲れない場合があります。

とりわけ、近年の離婚案件を中心とした家族法案件の増大のもとでは、戸籍は、裁判所に提出する必須書類で、かつ、当然の前提で争いのない部分ですので、速やかに取り寄せて、内容に集中したいところですが、このような法改正がなされれば、家族法案件の処理が滞り、うまく処理できない事態も発生してきそうです。

戸籍はプライバシーとしては大事だけど、裁判所に対してはあまり大事なものではないというギャップが、戸籍取扱事務のこのような不都合を生んでいる気がします。

とはいえ、大切なプライバシーを蔑ろにするわけにはいきませんので、やはりプライバシー保護を基調とした法制定の流れは避けられないのでしょう。

これからの弁護士は戸籍が必要な時期を的確に把握し、これを先読みして請求していくことが大事になってきそうです。

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