« ちょい悪人間の裁き方 | トップページ | 熱い夏のはじまり »

2006年7月13日 (木曜日)

弁護士報酬の定め方

人は誰も、割にあわない仕事はしたくありません。

国選弁護の報酬は、これまでは難解な事件と平易な事件の報酬とでそれほど大きな差はありませんでしたので、大阪では平易な事件の争奪戦となり、難解な事件の受け手が少ないという事情があります。

平易な事件の多い地裁・簡裁の事件はすぐに受けてがみつかりますが、難解な事件ばかりの高裁事件は、なかなか受け手がみつからないという問題も指摘されていました。

今年10月からはこのような国選弁護の制度が大幅に変更が加えられるため、今日はその講習会に出席してきました。

これから裁判員制度も始まっていく中で、刑事手続における弁護人の役割は公判よりも適正な捜査の担保に重点が置かれるのかと感じさせられる会でした。

一度してしまった自白を、脅迫されてしたものだといって公判で撤回することは非常に困難であり、素人である裁判員にそれを見抜くことを要求することもまた困難を極めることだと思います。

そのようなことのないよう、捜査段階から弁護人をつけて、適正な捜査を担保しようとしたのが被疑者国選弁護人制度です。

その報酬も中々良いもので、この制度が10月から施行されれば、国選弁護人による熱心な接見が見込めると思います。

他方で、公判段階での報酬については従前の制度に比べれば、格段に改善されはしましたが、無罪獲得や、保釈成功などに対する成功報酬の面が未整備で、まだまだ改善の余地がありそうです。

本来、国選弁護活動は公益活動ですので、報酬にかかわらず全力を尽くすのが弁護士の役割ですが、弁護士も人間である以上、また、暇でない以上、費用対効果のつりあわない仕事はあまりしたくありません。

国選弁護の報酬算定は、仕事に対する本音と建前が複雑に対立する難解な問題だと感じます。

|

« ちょい悪人間の裁き方 | トップページ | 熱い夏のはじまり »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 弁護士報酬の定め方:

« ちょい悪人間の裁き方 | トップページ | 熱い夏のはじまり »