« 放送文化の進歩と著作権 | トップページ | 谷垣財務相のビジョン »

2006年7月26日 (水曜日)

交渉はいかに相手に不利益をつきつけるか

セリエAの不正問題で、控訴審が、対象チームに大幅に寛容な判断を下しました。

ユベントスの降格は変わらないものの、ラツィオとフィオレンティーナは降格を免れ、ミランはチャンピョンズリーグの出場権を回復しました。

日本の刑事裁判では、1審の刑が、控訴審で大幅に見直されるということはほとんどありませんので、衝撃的な判断に感じます。

今回、このような判断となった背景には、不服申立の繰り返しにより、リーグ戦の開始に混乱をきたすことへの配慮が少なからずあるといえるでしょう。

リーグにとって、対象チームがごねると大きな不利益となるから、対象チームに早期に納得してもらうため、処分を軽くせざるをえなかったのでしょう。

しかし、ミラン以外の3チームはまだ納得していませんので、まだまだこの問題は紛糾しそうです。

今回対象とされている4チームは、スポーツ界でタブーを犯したわけですので、厳罰然るべき状況にあると思います。

そのように厳罰を課すという正義が、時間制限という外部的な要素を交渉材料に、ゆがめられるのは、何かおさまりの悪い気がします。

裁判実務においても100%敗訴確定の事件でも、紛争解決の長期化という不利益を相手につきつけ、支払額をまけてもらうという交渉は日常茶飯事のように行われています。

正義をねじまげる点に疑問を感じつつも、紛争解決は当事者双方の納得のもとにあることを考えると、やっぱりそうかという気になります。

こういう事件の解決も、当事者の納得の上には必要なことですが、当事者の意思に反して、勝手に必要以上に不当な交渉をけしかけるのは弁護士として失格だと思いますし(以前、とある弁護士にこれをしかけられて大変不愉快に感じました)、そういうことのないような法曹社会であってほしいと思います。

セリエAの問題につきましては、対象チームは納得がいかないなら不服申立を続けるのはやむをえないことだとは思いますが、一定の不利益は不可避な状況をふまえ、どこかできちんと不利益を甘受し、リーグに不当な交渉を持ちかけずに円満に解決することを願います。

|

« 放送文化の進歩と著作権 | トップページ | 谷垣財務相のビジョン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 交渉はいかに相手に不利益をつきつけるか:

« 放送文化の進歩と著作権 | トップページ | 谷垣財務相のビジョン »