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2006年6月26日 (月曜日)

刑事弁護は難しい

本日、大阪弁護士会がある弁護士に対する処分を発表しました。

本当は弁護人になる予定がないにもかかわらずそのように偽り、共犯者の指示を受けて、身柄勾留中の被疑者に共犯者の氏名を警察に明かさないように伝達した行為が不適切行為として、処分の対象となりました。

刑事弁護は被疑者・被告人の保護のために、理想を追求した活動が求められますので、活動の適切・不適切の判断が非常に難しいです。

証拠上、明らかに有罪だと感じても、本人が無罪を主張していれば、無罪主張しなければなりません。

間違って有罪の答弁をしようものなら懲戒ものです。

逆に、本人が有罪を認めていても、証拠不十分による無罪主張や、脅迫等によって作成された調書の証拠能力を争うことなどは可能です。

今回の事件についても、単に黙秘権の告知を勧めるだけであれば、何ら問題はなかったと思いますが、弁護人に就任する予定がなく、もっぱら捜査を妨害する目的で共犯者の氏名を伏せるよう要求したことは、弁護士の品位を失墜する行為として非難を免れません。

私も、まだ刑事弁護の限界が良くわかっておらず、接見に行って被告人に受けた指示にそのまま従って良いか悩むことは良くあります。

まだ十分な検討ではないかもしれませんが、刑事弁護とは、できる限り被告人の言い分を聞き、それを法律の範囲内で最大限に充足する弁護活動を理想とするものであり、理想を追求し過ぎるあまり、違法行為に荷担していないかどうかを逐次確認する必要がある、ものだと感じています。

そう考えると、民事でも、法律の範囲内で依頼者に最大限の法的サービスをするという理想は変わらない気がします。

賢い弁護士は、怠けるためではなく、適法・違法のビミョーなところの活動に悩まないよう、そこから1歩ひいたところで、活動を展開している気がしますが、この職業で食っていかないといけない以上、それはやむをえないことかもしれません。

ここを起点としても、弁護士が経験を重ね、より適法・違法の境界線を的確に見分けることができるようになり、踏み込んだ活動ができるようになる、その意識があれば、理想的な活動ができるようになっていくと思います。

私も、それを目指して、1件1件丁寧に活動していきたいと思います。

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