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2006年5月19日 (金曜日)

法は社会の色に染まり・・

共謀罪の本国会での採決が先送りされました。

先の記事でも書いたとおり、国際的な凶悪犯罪のために必要性のある法案ではありましたが、社会の抵抗は大きく、さすがにいきなり成立するという結論にはいたりませんでした。

今後、共謀罪の構成要件についての検討が進み、これについての報道がなされ、社会の共謀罪に対する認識が進んだ段階で採否が本格的に検討されると思います。

次は、一夫多妻生活を行っていた男性の判決で、執行猶予を付した判決がありました。

社会に対する衝撃を考えると、実刑相当と考えた人も多いと思いますが、未だ事件発覚当時とあまり変わらない人数の女性が共同生活をおくっていることと、近時の性や同居に関する社会の風潮などに照らせば、現在は実刑に処するほどでもないという判断だったのでしょう。

同種事案には同程度の刑を、というのが判例に基づく量刑の実務ですが、この事件に関しては、時期によっては厳しい刑に処せられた可能性もあり、社会情勢に量刑が左右されたのではないかと思います。

最後は、ネットを通じて個人情報が流出した事件で、ヤフー等を相手になされた損害賠償請求事件、ヤフーに対する監督責任は認められませんでしたが、直接情報を管理していたBBテクノロジーに対して、管理責任と過失の存在を認め、損害賠償請求を一部認容しました。

不法行為は簡単なようで難解な請求ですが、当事件で問題となった過失の存否については、定期的なパスワードの変更などを、被告に指摘しています。

この過失の存在も、社会の情勢に応じて玉虫色に変化するもので、ネット犯罪の巧妙さが増すにつれ、どんどん過失の内容も厳しくなっていくものと思われます。

今後のネット犯罪の激化次第では、今回否定された監督責任についても厳しく追及される可能性もあります。

法は定型的なものではなく、社会を反映した、社会の縮図であるともいえそうな気がします。

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