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2006年5月29日 (月曜日)

ひき逃げの厳罰化検討中

全国交通事故遺族の会は、法務大臣に対し、ひき逃げの厳罰化を求める嘆願書を提出しました。

折しも、唐津の小5ひき逃げ事件の話題がとりざたされる今日、ひき逃げという最も卑怯な部類の犯罪を厳しく処罰すべきだという意見は一般的なものとなっています。

悪質な交通事犯に対応するため、危険運転致死傷罪が設けられ、交通事件の量刑が引き上げられましたが、個別の事案では、以前よりも適切な量刑として、機能しているようですが、厳しい量刑を避けるためにひき逃げに至るケースも増えており、この3年間でひき逃げ事案の数が3倍近くに激増したようです。

そして、ひき逃げ事案の検挙率は26%にとどまっており、危険運転致死傷罪の設定により、かえって、被害者は、加害者の名前や顔すら知ることができず、民事上の損害賠償すら受けられないケースが増えているようです。

突然、不慮の事故に巻き込まれ、このように全く被害を回復する手だてがないというのも大きな問題だと思います。

近時の子供が被害者となる事件対策のために、あちこちの公園でカメラが設置されているという話を聞きますが、一般行動が監視カメラばかりになるというのは、あまり気分のいいものではなく、不適切だと思います。

結局、危険運転致死傷罪の、厳しい量刑を恐れて、ひき逃げに至ったのですから、ひき逃げ行為自体の量刑を引き上げ、ひき逃げのメリットが乏しいことをドライバーに告知するしかないのではないでしょうか。

唐津の事件はおそらく殺人未遂罪での起訴を検討中だと思いますが、この事件のように積極的な移置がある場合には、殺人未遂で、ただの救護義務違反の場合には、単純な業務上過失致死傷罪以上、殺人未遂罪以下の量刑を設定し、ひき逃げを犯したら、殺人の匹敵するような厳しい処罰を受けるおそれがあるとドライバーが認識すれば、ひき逃げ自体は大幅に減るのではないかと思います。

とはいえ、検討事項は多岐にわたると思われますので、容易に法改正とは行かない気がしますが、それでも被害者の苦痛を癒す手だてがないという状況を少しでも減らすためになんとか前向きに検討してほしい事項です。

最後に、唐津の事件の被害者は無事に回復の傾向を見せており、このまま元気になることを期待してやみません。

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