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2006年4月 7日 (金曜日)

宇治小乱入事件控訴審判決

今日は、大阪高裁で宇治小乱入事件控訴審判決がありました。

結論は1審と同様に、心身耗弱と殺意を認定したうえで、懲役3年の実刑判決。

私が考えたのは、この事件を裁判員制度で行ったらどうなっていたか、という点です。

検察側の控訴理由で、争点となったのは、被告人が犯行当時心身耗弱だったかどうか?で、医師による鑑定結果等をもとに、被告人に善悪の判断をする能力が出来たかどうかを判断することになります。

弁護側の控訴理由で、争点となったのは、被告人に殺意があったかどうかで、用いた道具の殺傷能力や、攻撃の態様・部位などから総合的に判断することとなります。

後者の殺意の有無の認定につきましては、我々は司法研修所で嫌というほど教わる内容ですし、具体的な周辺事実から争点事実の有無を推認するということで、法曹三者が裁判員に対して、レジュメ等を配布してわかりやすい説明をこころがければなんとかなりそうな気がします。

しかし、前者の認定については、弁護人としても、鑑定結果についてどのように意見を組み立て、弁護活動をしていけばいいか十分に理解していない人がほとんどであるのに、一般人が十分な議論のうえで、妥当な結論を導けるかどうか疑問があります。

以前、殺人事件の被告人については、精神鑑定の申請がよくなされるという記事を書きましたが、鑑定結果に対する法的判断についていかに法曹三者と裁判員が意見を交わし、妥当な結論を導けるかは大きな問題だと思います。

同時に、弁護士としても公判前整理手続のもとで、いかに一般人にわかりやすい説明をできるかも問題となってくるところですので、公判前整理手続自体の研究及びその運用のあり方について理解を深めていく必要があります。

裁判員制度については、求める理想が素晴らしい反面、越えて行かなくてはならない壁も沢山あります。

厳しい道のりは続きますが、その先に理想的な裁判のあり方が見えればと期待してやみません。

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