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2006年2月 9日 (木曜日)

円満な紛争解決

人間社会において「絶対正義」というものは存在しないでしょうが、「相対正義」という概念は存在すると思います。

これについて語りはじめると、話はつきないですが、一例を挙げれば、法とその適用結果は、古い法律や悪法を除けば、相対正義といえると思います。

法を守ること、そして、法を守った結果、人の社会生活の中で、適切と一般に考えられることだからです。

私は、この仕事を遂行するにあたり、法の適用結果を常に見据え、その相対正義に向けて、紛争当事者双方が納得して解決できるよう話をしていこうと心がけています。

裁判所にとっても、弁護士にとっても、、当事者にとっても、法の適用結果を見据え、早期に和解する方が、だらだらと言い分を述べたあげく判決に至るよりもはるかにコストパフォーマンスは高いです。

そうしますと、私のような考えで紛争を解決していけば、現在問題とされている裁判の長期かはかなる改善されるようにも思えます。

しかし、人間は理屈よりも感情の生き物であることもあり、時々法の適用結果が明らかであるにもかかわらず、和解できないケースも多々あります。

金銭支払義務があるにもかかわらず、まけてほしいとごねる。

金銭支払義務があるにもかかわらず、相手に金を渡すのは癪だからとそっぽを向く

子供を別居中の夫に会わせる義務があるにもかかわらず、裁判で不利になるかもしれないと言って拒絶する

腹を割って話をしようとしているにもかかわらず、「そんな気分になれない」と話し合いを拒絶する

どれもこれも身勝手な言い分ですが、それを押し殺して無理矢理和解させて解決というわけでもないので、このような場合、時間をかけてゆっくりと、説得を続けていく必要があります。

私が、今日、遠方の家庭裁判所で調停をしてきた件では、依頼者が相手方の夫に対して、生活費の請求と離婚請求ができることは、双方の一致する主張事実から明らかな事案なのに、

復讐のために離婚しない

腹がたつから生活費は払わない

と相手方が頑強に主張しており、結論は目に見えているのに、解決できず、遠方に何度も出向くことを強いられ、依頼者も疲弊してくるなど、大変な事件となっています。

10回近い調停を終えて、ようやく解決の兆しは見えてきましたが、まだまだ時間がかかりそうな感じがあり、離婚裁判は制度自体が改善の余地が大きいのではと強く感じます。

いっそのこと、「裁判になったらこういう結果になるんだから、こういう内容で合意しろ」と相手方に強請したいところですが、それはやってはいけないことです。

当事者を時間をかけて説得し、納得してもらわないといけない、それが離婚案件の難しいところだとつくづく実感します。

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コメント

こんにちは。

円満な紛争解決って可能なんでしょうか?
すごく難しそうです。


とってもいいブログですね。
ここに到達できてよかったです。

とっても読みやすくて参考になり
ました。

これからちょくちょく来ますね。
勉強させてくださいね。

投稿: Kos | 2006年2月10日 (金曜日) 14時36分

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